SCOAの数理(非言語)は、単元を絞って解き方の型を覚えるのが最短です。ただし出発点として押さえておきたい事実があります。提供元は「数理」という尺度名しか公表しておらず、公式の単元リストは存在しません。 そこで本記事では、私たちがSCOA対策アプリを作るにあたって実際に整理した13単元と単元ごとの収録問題数を公開し、そのうち問題数の多い単元を例題+解き方で紹介します。

公式が公表しているのは「数理」という尺度名だけです

まず前提の確認です。SCOAを提供する日本経営協会総合研究所(NOMA総研)のSCOA-Aのページに書かれているのは、基礎能力を言語・数理・論理・常識・英語の5つの尺度で測ること、そして数理は「知能検査的内容と学力検査的内容の両方を含む」ということまでです。「数理では〇〇と〇〇が出ます」という単元の内訳は、公式のどこにも書かれていません。

各社の対策メディアには単元リストが並んでいますが、あれらは受検報告をもとにした推定です。問題数についても、「120問/60分」という数字が広く紹介されている一方で、提供元の製品ページに問題数の記載はなく、SCOA-Aの回答時間はむしろ「45〜60分」と書かれています。ですから本記事も、単元の話はすべて「対策として押さえられている範囲」「私たちの整理」として書きます。 試験の事実として断定はしません。SCOAの全体像は「SCOAとは?対策の全体像」にまとめています。

AIナビスタが整理したSCOA数理の13単元と収録問題数

公式の単元リストが無い以上、対策する側は自分で範囲を切り分けるしかありません。下の表は、私たちがSCOA対策アプリ「AIナビスタ」を作るにあたって整理した13単元と、単元ごとの収録問題数です。

学習プランでの優先順単元アプリの収録問題数
1四則演算68
2方程式と不等式90
3数列112
4集合8
5損益算13
6割合と比(年齢算・濃度算)69
7サイコロ26
8推論8
9速度算19
10仕事算11
11整数問題38
12数の性質(知識問題)13
13場合の数(最短経路)5
13単元の合計480

13単元で計480問。これに学習プラン診断テストの12問を加えた492問が、アプリ全体の収録数です。

⚠️ この「優先順」は、公式の出題頻度ではありません。 AIナビスタの学習プランで先に配置している順番、つまり私たちの編集判断です。「SCOAではこの順に頻出する」という意味ではないので、そこだけは誤解しないでください。公式が単元を公表していない以上、これは私たちの整理であって、試験の仕様ではありません。

それでも、この表には他では手に入らない情報があります。私たちが実際に問題を作り込んだ結果として、どの単元にどれだけの分量が必要だったかが数字で見えることです。四則演算・方程式と不等式・数列・割合と比の4単元だけで339問と、13単元・計480問の約7割を占めています。数理対策の重心は、計算と規則性にあるということです。

以下の例題は、SCOAの実際の問題ではなく、典型的な出題パターンを再現したオリジナル例題です(SCOAの問題は公開されておらず、公式の過去問は存在しません)。形式と解き方の感覚をつかむために使ってください。

例題① 四則演算|工夫して計算量を減らす

四則演算は収録68問で、私たちの整理ではすべての土台に置いている単元です。ここは速く正確にが効いてきます。計算の工夫を1つ知っているかどうかで、1問にかかる時間が変わります。

オリジナル例題 12 × 25 − 480 ÷ 16 = ?

解き方

  1. 掛け算・割り算を先に計算します。12 × 25 は、25 = 100 ÷ 4 と考えると速い:12 × 100 ÷ 4 = 1,200 ÷ 4 = 300
  2. 480 ÷ 16 = 30(16 × 30 = 480 と逆から確認)
  3. 300 − 30 = 270

答え:270(検算:12 × 25 = 300 ✓、16 × 30 = 480 ✓、300 − 30 = 270 ✓)

「×25 は ×100÷4」「×5 は ×10÷2」のような置き換えを持っておくと、筆算の回数が減ります。なお電卓が使えるかどうかは公式の実施方式のページにも記載がなく断定できないため、筆算前提で練習しておくのが安全です。

例題② 方程式と不等式|文章を式に翻訳する

収録90問と多い単元です。型はシンプルで、求めたいものを x とおいて式にする、これだけです。

オリジナル例題 1個90円のパンと1個140円のおにぎりを、合わせて12個買ったところ、代金は1,330円だった。パンは何個買ったか。

解き方

  1. パンを x 個とすると、おにぎりは (12 − x) 個
  2. 代金の式を立てる:90x + 140(12 − x) = 1,330
  3. 展開する:90x + 1,680 − 140x = 1,330 → −50x = −350
  4. x = 7

答え:パン7個(検算:パン7個=630円、おにぎり5個=700円、合計12個・1,330円 ✓)

不等式も考え方は同じです。「120円のりんごを n 個と80円の箱で2,000円以内」なら 120n + 80 ≦ 2,000 → 120n ≦ 1,920 → n ≦ 16 で最大16個(検算:120 × 16 + 80 = 2,000 ✓)。日本語を式に翻訳できれば、あとは機械的です。

例題③ 数列|収録112問と最多。規則性を見抜く

13単元で最も問題数が多くなったのが数列(112問)でした。それだけ多様な規則性のパターンを作り込む必要があった、ということです。私たちが作った112問も、並んだ数の規則を見抜いて空欄を埋める形式が中心になっています。

オリジナル例題 数列の規則を見つけて、□に入る2つの数を答えなさい。 3, 11, 8, 16, 13, □, □

解き方

  1. まず隣どうしの差を書き出します:3→11 が +8、11→8 が −3、8→16 が +8、16→13 が −3
  2. 差が +8, −3, +8, −3 と交互に並んでいると分かります
  3. 続きは 13 + 8 = 21、21 − 3 = 18

答え:21, 18(検算:3, 11, 8, 16, 13, 21, 18 の差は +8, −3, +8, −3, +8, −3 で規則どおり ✓)

数列のコツは、いきなり法則を当てにいかず、必ず差を書き出すことです。差が一定でなければ、①差が交互(この例題)、②差の差が一定、③掛け算・割り算、④2つの数列が交互に並んでいる、の順に疑います。手を動かせば見えるので、頭の中だけで悩まないでください。

例題④ 割合と比|濃度算は「食塩の重さ」で立式する

割合と比(年齢算・濃度算)は収録69問。濃度算は、濃度のままではなく「食塩の重さ」で式を立てるのが鉄則です。

オリジナル例題 8%の食塩水200gに、12%の食塩水を何g混ぜると10%の食塩水になるか。

解き方

  1. もとの食塩水に含まれる食塩:200 × 0.08 = 16g
  2. 混ぜる12%の食塩水を x g とすると、その食塩は 0.12x g。混ぜた後の全体は (200 + x) g、食塩は (16 + 0.12x) g
  3. 混ぜた後が10%:16 + 0.12x = 0.10 × (200 + x)
  4. 展開:16 + 0.12x = 20 + 0.1x → 0.02x = 4 → x = 200

答え:200g(検算:12%の食塩水200gの食塩は24g。食塩の合計 16 + 24 = 40g、全体 200 + 200 = 400g、40 ÷ 400 = 0.10 = 10% ✓)

食塩水の問題は、必ず「食塩の重さ」を主語にする。 同じ単元の年齢算も「x 年後には両方が x 歳ずつ増える」と式にすれば同じ形で解けます。割合の考え方は損益算・仕事算・速度算にもそのまま効くので、ここは投資対効果の高い単元です。

数理はどの順で進めるべき?

私たちが学習プランで採っている考え方は、①計算の土台 → ②規則性 → ③文章題の型の順です。四則演算と方程式が固まっていないと、損益算も速度算も仕事算も結局そこで詰まるからです。数列を早い段階に置いているのは、規則性を見抜く手続き(まず差を書き出す)が、覚えれば即戦力になる単元だからです。

繰り返しますが、これは公式の出題頻度に基づく順番ではなく、私たちの編集判断です。ですから、次のように読み替えてもらって構いません。

  • 時間がある人:表の上から順に、1単元ずつ型を固める
  • 時間がない人:四則演算・方程式・数列に絞る(この3単元だけで270問あります)。進め方は「SCOAの直前・短期対策」を参照
  • すでに計算が得意な人:数列・サイコロ・推論など、型を知らないと止まる単元から

なお合格ラインについては、提供元も企業も公表していません。「何割で通過」という数字は非公式なものなので、目標は割合ではなく「解ける単元を増やすこと」に置くのが現実的です。

アプリ「AIナビスタ」は、この13単元の480問に学習プラン診断テストを加えた492問を収録し、そのうち488問(ほぼ全問)に解説動画を付けています。解説を読んでも分からないところはその場でAIに質問できます。ただし正直にお伝えすると、収録しているのは数理(非言語)だけで、言語・常識・英語・論理は入っていません。数理を固めるための道具として使ってください。

まとめ

  • 公式は「数理」という尺度名しか公表しておらず、単元の内訳は非公開。出回っている単元リストはすべて推定です
  • 私たちが対策アプリ(492問)を作るにあたって整理したのは13単元。四則演算・方程式と不等式・数列・割合と比の4単元で約7割を占めます
  • 表の優先順は公式の頻度ではなく、私たちの編集判断です
  • 数理は計算の土台 → 規則性 → 文章題の型の順に、型を覚えて当てはめる練習が近道です

まずは四則演算・方程式・数列の3単元から、手を動かして始めてみましょう。