SPIの英語能力検査(ENG)は、企業が選択したときだけ実施されるオプション科目です。全員が受けるわけではなく、英語を業務で使う企業などに課されます。出題は同意語・反意語・空欄補充・英英辞書・長文読解などで、所要は約20分・30問程度、難易度は高校卒業程度。この記事では、出題範囲・実施企業の傾向・例題と解き方をまとめます。
まず結論:ENGはオプションの英語科目
SPIの基本構成は「能力検査(言語・非言語)+性格検査」ですが、企業が選んだ場合はそこに英語能力検査(ENG)が加わります。SPI全体の構成は「SPIとは?適性検査の全体像」で解説しています。ENGの要点は次の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 位置づけ | オプション科目(企業が選択した場合のみ実施) |
| 所要時間・問題数 | 約20分・30問程度(選択式が中心) |
| レベル | 高校卒業程度の語彙・文法・読解力 |
| 主な実施方式 | 主にテストセンター・ペーパーテスティングで実施 |
| 測るもの | 語彙・文法の理解力と英文の読解力 |
ここで紹介する例題は、SPIの実際の問題ではなく、典型的な出題パターンを再現したオリジナル例題です。
提供元リクルートマネジメントソリューションズの英語能力検査の解説ページでは、ENGは「語彙・文法の理解力をベースとし、文章の読解力を測定する」検査と説明されています。出題の目安は約20分・30問程度の選択式(同ページ、2026年6月時点)。テストセンターでは解答状況により問題数が変わる場合があります。
出題範囲:5つのパート+αを押さえる
ENGの出題は、大きく次のパートに分かれます。語彙系(覚えれば得点)と読解系(解き方のコツ)に整理しておきましょう。
- 同意語:ある単語と同じ意味の単語を選ぶ
- 反意語:ある単語と反対の意味の単語を選ぶ
- 空欄補充:正しい英文になるよう、空欄に入る語を選ぶ
- 英英辞書:英語の語義説明を読み、該当する単語を選ぶ
- 長文読解:英文を読み、内容や要旨に合うものを選ぶ
実施形式によっては、これらに加えて誤文訂正(間違っている箇所を選ぶ)・和文英訳・整序(並べ替え)が出ることもあります。いずれも高校までに学ぶ語彙・文法の範囲で対応できる設計です。(参考)出題範囲の詳細は、リクルート系のリクナビ就活準備ガイドでも紹介されています。
例題① 同意語
abundant に最も意味が近い語を選びなさい。 ア plentiful イ scarce ウ rapid エ ancient
解き方
abundantは「豊富な・たくさんある」という意味- 選択肢を訳すと、ア plentiful(豊富な)/イ scarce(乏しい)/ウ rapid(急速な)/エ ancient(古代の)
- 同じ意味なのは ア plentiful
答え:ア
同意語は「単語の意味を知っているか」で決まります。scarce(乏しい)はむしろ反意語にあたるので、反対語とセットで覚えておくと反意語パートにも効きます。
例題② 反意語
increase と反対の意味の語を選びなさい。 ア raise イ expand ウ decrease エ continue
解き方
increaseは「増える・増やす」- 反対は「減る・減らす」 → ウ decrease
- ア raise(上げる)・イ expand(拡大する)は「増やす」に近い仲間、エ continue(続ける)は無関係
答え:ウ
反意語は、似た意味の語(仲間)を選択肢に混ぜて惑わせてきます。「増える↔減る」「拡大↔縮小」のようにペアで暗記しておくと、迷いにくくなります。
例題③ 空欄補充
正しい英文になるよう、空欄に入る語を選びなさい。 She is good ( ) playing the piano. ア at イ in ウ for エ to
解き方
「〜が得意だ」は be good at +(動)名詞 という決まった言い回し(イディオム)。good at で「〜が得意」を表します。
答え:ア
空欄補充は、be good at look forward to のような前置詞とのセット表現や、文法のルールが問われます。単語単体ではなく「かたまり」で覚えるのがコツです。
例題④ 長文読解
次の英文を読み、内容に合うものを選びなさい。
Tom usually goes to work by train. However, last Monday the trains were stopped because of heavy snow, so he walked to his office instead. It took him almost two hours, but he arrived on time.
ア Tom went to work by train last Monday. イ Tom walked to his office last Monday. ウ Tom was late for work last Monday. エ Tom stayed home last Monday.
解き方
- 本文:トムはふだん電車通勤だが、先週の月曜は大雪で電車が止まり、代わりに歩いて出社した。2時間近くかかったが時間どおりに到着した
- 選択肢を照合:ア「電車で行った」→止まったので×/イ「歩いて出社した」→本文の
he walked to his officeと一致/ウ「遅刻した」→arrived on time(時間どおり)なので×/エ「家にいた」→出社したので×
答え:イ
長文読解の鉄則は、言語(国語)の長文と同じで本文に書いてあることだけを根拠にすることです。日本語の読解と通じる考え方なので、「SPIの言語(国語)対策」の読み方もそのまま活きます。
実施する企業の傾向:英語を使う会社に出やすい
ENGは、入社後に英語を使う可能性が高い企業で課されやすい傾向があります。具体的には次のような企業です。
- 外資系企業
- 総合商社
- 旅行代理店
- 海外進出が進んでいる企業(グローバルに事業展開している会社など)
逆に言えば、すべての企業で課されるわけではありません。志望先がこうした業界なら、ENG対策を早めに始めておくと安心です。なお、どの科目が課されるかや受験方式は企業から指定されます。受験方式そのものの違いは「SPIの受験方式は4種類」を参照してください。
SPIそのものや英語検査の概要は、提供元のSPI公式サイトでも確認できます。出題内容・難易度・実施可否は企業や時期によって変わることがあるため、最終的には企業からの案内と公式情報を確認しましょう。
短期間で伸ばすための対策
- 語彙を先にまとめる:同意語・反意語・英英辞書はすべて「単語を知っているか」で決まる。意味のペア(増える↔減る など)でまとめて覚える
- イディオムは「かたまり」で:空欄補充は
be good atのような前置詞とのセット表現が頻出。単語単体でなく句で暗記 - 読解は本文至上主義:長文は自分の常識ではなく、本文の記述だけを根拠に選ぶ
- 形式に慣れる:高校卒業程度とはいえ、約20分で30問とテンポが速い。事前に出題形式を体験しておく
英語の感覚を取り戻すには、短時間でも毎日触れて反復するのが効果的です。アプリ「AIナビスタ」なら、本番と同じ形式の問題を解きながら、間違えた問題はその場でAIに質問できます。復習は一度で終わらせず、忘れた頃にもう一度出題して定着を助けます。
まとめ
- ENGは企業が選択したときだけ実施されるオプション科目で、約20分・30問・高校卒業程度
- 出題は同意語・反意語・空欄補充・英英辞書・長文読解が中心(形式により誤文訂正・和文英訳・整序も)
- 外資系・総合商社・旅行代理店・海外展開企業などで課されやすい
- 語彙は意味のペアで暗記、空欄補充はイディオムをかたまりで、読解は本文だけを根拠に
志望業界でENGが課されそうなら、まずは無料で出題形式に慣れることから始めましょう。