法律の勉強がはじめてなら、宅建の勉強は前年の11月〜1月に始めるのが私たちのおすすめです。その根拠は、公式に決まっている日付から逆算すると見えてきます。宅建試験(宅地建物取引士資格試験)は年に1回だけで、試験を実施する不動産適正取引推進機構(RETIO)の試験概要では、毎年10月の第3日曜日に行うのが原則です。申込みは7月で、さらに出題の基準となる法令が「試験を実施する年度の4月1日時点」で決まります。2026年度の試験(10月18日)のあとに2027年度(令和9年度)をめざす人や、これから宅建を始める人に向けて、この記事では公式の日付で1年の骨組みを作り、始める月ごとの進め方を整理します(2026年10月時点)。

結論:はじめてなら前年の11月〜1月に開始。区切りは4月1日・7月・10月

2027年度の試験に向けて押さえておく日付は、次の5つです。根拠はすべてRETIOの試験の概要と令和8年度のスケジュールです。

時期何が起きるか根拠
2026年11月25日(水)令和8年度(2026年度)試験の合格発表RETIO 令和8年度スケジュール
2027年4月1日2027年度試験の出題の基準となる法令が決まる日RETIO 試験の概要(試験を実施する年度の4月1日現在施行されているもの)
6月の第1金曜日(原則)試験の実施公告(官報とRETIOのホームページ)RETIO 試験の概要
7月受験申込み。試験の概要ではインターネットは7月上旬から下旬まで。令和8年度は7月1日〜31日(郵送は7月1日〜15日)RETIO 試験の概要・令和8年度スケジュール
10月の第3日曜日(原則)試験。50問・2時間(登録講習修了者は45問・1時間50分)RETIO 試験の概要

この表から分かるのは、勉強の区切りになる日付が「4月1日」「7月」「10月」の3つあるということです。4月1日の前と後で改正された部分の答えが変わることがあり、7月の申込みを逃すとその年は受けられず、10月の本番の前には通しの演習に2〜3か月ほど取っておきたいところです。

2027年度の試験日は、まだ公表されていない

ここで注意したいのが、2027年度の試験日は2026年10月時点で公表されていないことです。インターネット上には具体的な日付を書いている記事もありますが、RETIOの試験概要が示しているのは「毎年1回、10月の第3日曜日」という原則までで、よくある質問でも「例年、試験日は、10月の第3日曜日としています」という書き方にとどまっています。試験の実施は、原則として毎年6月の第1金曜日に官報とRETIOのホームページで公告されます。

そのため、学習計画は「10月の第3日曜日ごろ」を目安に組み、正式な日付は6月の公告で確かめるのが安全です。日付が数日ずれても計画が崩れないよう、最後の1か月には余裕を持たせておきます。

いつから始める?始める月ごとの進め方

始める月によって、4月1日までに何を済ませられるかが変わります。宅建の勉強に必要な時間は、法律の勉強の経験や、不動産の仕事をしているかどうかで大きく変わります。他人の平均値をそのまま当てはめるより、残りの月数で何ができるかから考えるほうが計画が崩れにくくなります。私たちの整理では、始める時期ごとの進め方は次のとおりです。

始める時期試験までの目安進め方
11〜12月約10〜11か月4月1日までに宅建業法・法令上の制限・税・価格を一通り。免除科目・権利関係と改正点の確認は春以降にあてる
1〜3月約7〜9か月宅建業法から始め、法令上の制限・税・価格・免除科目と進む。権利関係に時間を残せるよう、分野ごとの期限を決めておく
4〜6月約4〜6か月出題の基準となる法令が決まった状態で始められる。宅建業法から始め、権利関係まで一通りたどり着けるよう分野ごとの期限を短めに区切る
7月3か月前後申込みを先に済ませる。出題数の多い宅建業法・法令上の制限を中心に一通り学び、権利関係・税・価格・免除科目はよく出る論点に絞って押さえたうえで、本試験形式の演習に移る

8月以降に始める場合は、その年度の申込期間が終わっているため、翌年度の試験に向けた計画になります。

法律の勉強がはじめてで、平日に確保できる時間が限られるなら、前年の11月〜1月に始めるのが無理のない選択だと私たちは考えています。早く始めるほど、後半に置く権利関係に使える時間が長くなり、急がずに済みます。

科目の順番:宅建業法から始め、権利関係は後半に置く

私たちの整理では、科目は宅建業法→法令上の制限→税・価格→免除科目→権利関係の順で進めるのがおすすめです。出題数が多く、一般に範囲も比較的まとまっているといわれる宅建業法を最初に固め、事例を読んで考える問題に慣れが要る権利関係は、ほかの分野を一通り終えてから時間をかけて取り組みます。アプリ「AIナビスタ」の学習プランも、この順番を基本に組んでいます。

令和7年度の試験問題(RETIOの過去の試験問題で公開)を、私たちの5分野の区分で数えると次のとおりです。

順番分野令和7年度の問題番号と問数私たちの整理での置き方
1宅建業法問26〜45(20問。犯罪収益移転防止法・住宅瑕疵担保履行法などの関係法令を含む)出題数がいちばん多い。最初に一通り学び、直前期にも繰り返し解く
2法令上の制限問15〜22(8問)都市計画法・建築基準法など。数字や手続きの暗記が中心
3税・価格問23〜25(3問)問数が少ないので、範囲を絞って一通り学ぶ
4免除科目問46〜50(5問)登録講習の修了者は解答しないので、省いて権利関係へ進む
5権利関係問1〜14(14問)民法・借地借家法・区分所有法・不動産登記法など。事例の読み方に慣れが要るので、まとまった時間を残しておく

問数は令和7年度の1回分を数えた値で、年度によって分野ごとの問題番号や問数が変わることはありえます。また、この順番は私たちの整理による一例です。法律の勉強の経験がある人や、権利関係に不安が大きい人は、権利関係に早めに手を付けても構いません。

4月1日をまたぐときの注意:法改正で答えが変わる

宅建の勉強で見落とされやすいのが、4月1日の法令の基準日です。RETIOの試験概要には「出題の根拠となる法令は、試験を実施する年度の4月1日現在施行されているもの」と書かれています。つまり、秋から年明けに使い始めた教材や、古い年度の本試験問題は、4月1日までに施行された改正によって答えが変わっている可能性があります。

たとえば2026年4月1日には、マンションの管理や建替えのルールを定める区分所有法(建物の区分所有等に関する法律)の改正が施行されました。主な変更は次のとおりで、改正前の教材や問題で覚えた知識はそのままでは通用しません。

決議改正前改正後(2026年4月1日施行)
集会の普通決議(39条)区分所有者及び議決権の各過半数出席した区分所有者及びその議決権の各過半数
共用部分の重大な変更・規約の設定や変更(17条・31条)区分所有者及び議決権の各4分の3以上区分所有者の過半数かつ議決権の過半数が出席したうえで、出席者の各4分の3以上(原則)
建替え決議(62条)区分所有者及び議決権の各5分の4以上原則は5分の4のまま(出席者ではなく全体で数える)。耐震性の不足など一定の事由がある場合は4分の3

とくに建替え決議は、表のほかの2つと違って出席者の多数決にはなっていません(新しく設けられた建物の更新や取壊しなどの決議も、全体で数えます)。また共用部分の変更でも、瑕疵の除去やバリアフリー化のための変更は、4分の3が3分の2になります(17条5項)。条文はe-Gov法令検索の区分所有法で確認できます。2026年4月1日に施行された改正は、2027年度の試験でも前提になります。

2027年4月1日までに、さらにどの改正が施行されるかは、2026年10月時点ではまだ出そろっていません。

RETIOは過去の試験問題と正解番号表を公表していますが、そのページにも「法改正により、現在の法律と一致しない場合があります」と注記されています。4月に入ったら、その年度の法改正をまとめて確認する時間を学習計画に入れておくと、古い知識のまま本番を迎えるのを防げます。

申込みは7月:逃すと1年待つことになる

宅建試験は年1回なので、申込みを逃すとその年は受けられません。RETIOの試験概要では、受験申込みの受付はインターネットが7月上旬から下旬まで、郵送が7月上旬から中旬までとされています。令和8年度(2026年度)の申込期間は、インターネットが7月1日から7月31日まで、郵送が7月1日から7月15日までで、受験手数料は8,200円でした。RETIOはインターネット申込みについて、最後の3日間は申込みが集中するので早めに済ませるよう呼びかけています。

学習計画を立てる時点で、7月の初旬にカレンダーで申込みの予定を入れておくのが確実です。いったん払い込まれた受験手数料は、申込みが受理されなかった場合などを除いて返還されません。

宅地建物取引業に従事している人は、登録講習を修了すると試験の一部(5問)が免除され、問題が45問、試験時間が1時間50分になります。受講できるのは従業者証明書を持っている人だけで、免除を受けられるのは修了試験に合格した日から3年以内に行われる試験です。対象になる人は、講習の時期も含めて逆算に入れておきましょう。詳しくはRETIOの登録講習の案内で確認できます。

月別スケジュール例:11月に始める場合

最後に、2026年11月に始めて2027年度の試験を受ける場合のスケジュール例です。私たちの整理による一例なので、自分の得意・不得意に合わせて前後させてください。

時期やることねらい
11〜12月全体像をつかみ、教材を決める。宅建業法から始める出題数の多い分野を先に固める
1〜3月宅建業法を一通り終え、法令上の制限、税・価格へ進む3分野を4月1日までに一通り終える
4月その年度の法改正をまとめて確認。免除科目を一通り学び、権利関係に入る出題の基準となる法令に合わせて知識を更新する
5〜6月権利関係を一通り終える。分野別の問題演習を増やす苦手分野をはっきりさせる
7月受験申込み。権利関係の苦手な論点を固め直し、本試験形式の演習を始める申込みの取りこぼしを防ぐ
8〜9月50問・2時間の通し演習を繰り返し、弱い分野に戻る時間配分と得点の安定
10月数字・期間の総復習と、間違えた問題の解き直し直前に効く知識の確認

登録講習を修了して5問免除を受ける人は、4月の免除科目を省き、その分を権利関係にあてます。宅建業法や法令上の制限のように数字や手続きを正確に覚える分野は、最初に一通り学んだあとも、試験が近づいてから繰り返し解く時期を厚くします。

アプリで計画を組むなら

私たちが運営するアプリ「AIナビスタ」の宅建対策版では、試験日といくつかの質問への回答から、5分野の学習の順番と毎日の課題を自動で組み立てます。順番はこの記事と同じ「宅建業法→法令上の制限→税・価格→免除科目→権利関係」が基本です。質問への回答によっては、伸びしろのいちばん大きい分野のよく出るところに最初に少しだけ触れ、宅建業法を一通り学んだあと、その分野に戻って仕上げる順番にします。登録講習の修了を選ぶと、免除科目(問46〜50)を外したプランになります。

なお模試は一般の受験と同じ50問・2時間の形式です。実戦問題とその解説は、2026年4月1日時点で施行されている法令にもとづいて制作しています。2027年度の試験に向けては、2027年4月中に、2027年4月1日時点の法令に合わせて更新する予定です。更新までのあいだに施行された改正は、e-Gov法令検索や所管省庁の公表で確かめてください。

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まとめ

  • 宅建試験は年1回。RETIOの試験概要では毎年10月の第3日曜日が原則で、正式な日付は6月の実施公告で確かめる
  • 2027年度の試験日は2026年10月時点で未公表。具体的な日付をうのみにしない
  • 出題の基準となる法令は試験を実施する年度の4月1日時点。4月に法改正をまとめて確認する
  • 申込期間は1か月ほど(令和8年度はインターネット7月1日〜31日)。逃すと1年待つ
  • 法律の勉強がはじめてなら、前年の11月〜1月に始めるのが目安(私たちの整理)
  • 科目は宅建業法から始め、権利関係を後半に置く順番がおすすめ。11〜12月に始めれば、4月1日までに宅建業法・法令上の制限・税・価格を一通り終える計画が立てやすい(私たちの整理)

まずはこの記事の表をカレンダーに写し、4月1日・7月の申込み・10月の本番の3つを先に書き込むところから始めてください。