玉手箱の「図表の読み取り」を時間内に攻略する鉄則は、「設問を先に読む → 必要な数値だけを概算で拾う」の2つです。標準は15分で29問(1問あたり約30秒)と持ち時間が極端に短く、難しさよりも速く正確に処理する力が問われます。表やグラフにはわざと「使わない数値」が混ぜてあるので、最初から全部を読もうとすると必ず時間切れになります。このページでは、図表の読み取りの全体像・問題数と時間・2つのコツ・オリジナル例題(検算つき)を、この1ページで完結するように整理します。

まず結論:図表の読み取りは「先読み」と「概算」で勝つ

図表の読み取りで最初に意識すべきことは、たった2つです。

コツやることなぜ効くか
① 設問を先に読む表を読む前に「何を聞かれているか」を確認する図表の中の使う数値だけに絞れる(余計な読み込みを省ける)
② 概算で割り切る桁を丸めて素早く計算し、迷う問題は捨てる1問約30秒では正確な筆算をする余裕がない

玉手箱は、計数・言語・英語の各科目で企業ごとに1つの形式だけが選ばれ、その形式が連続して大量に出るのが特徴です(出題形式は日本SHL社のテスト一覧で公開されています)。図表の読み取りに当たった場合は、同じ「表・グラフ → 読み取り → 計算」の作業を何十問も繰り返すことになります。だからこそ、1問の解き方を型として体に入れ、それを高速で回すことが得点に直結します。

玉手箱の「図表の読み取り」とは?

図表の読み取りは、表やグラフから必要な数値を読み取って計算し、選択肢から答えを選ぶ計数の一形式です。割合・増加率・構成比・平均など、ビジネスでよく使う数値処理が題材になります。

玉手箱の計数は次の3形式があり、企業ごとにどれか1つが出題されます。

計数の形式標準の時間・問題数内容
四則逆算9分・50問(1問約10〜15秒)等式の空欄【 】に入る数値を逆算する
図表の読み取り15分・29問(1問約30秒)図・グラフから数値を読み取り計算する
表の空欄推測20分・20問表の規則性を推測して空欄を埋める(最も難しいとされる)

この中で図表の読み取りは出題する企業が多い形式で、対策の優先度(P0)が高いテーマです。難問が出るわけではなく、「読み取り+四則計算」を制限時間内にどれだけさばけるかが勝負どころになります。

四則逆算が出る企業向けの対策は「玉手箱・四則逆算の解き方」にまとめています。自分の志望先がどの形式かは事前に分からないことも多いので、四則逆算と図表の読み取りの両方を練習しておくと安心です。

問題数と制限時間:標準は15分29問(企業により35分40問も)

図表の読み取りの標準は15分で29問、1問あたり約30秒のペースです。ただし、これは固定値ではありません。

  • 標準版:15分・29問(1問約30秒)
  • 重い版:企業によっては35分・40問のように、問題数も時間も多い版が出ることがある

どちらの版でも1問あたりの持ち時間が短い点は変わらず、玉手箱全体の「スピード勝負」という性格そのままです。なお、玉手箱は出題科目の組み合わせが企業ごとに違うため、「玉手箱の所要時間は何分」と一律には言えません。自分が受ける企業の科目構成を採用情報などで確認しておくと、当日のペース配分を立てやすくなります。

受験方式によって電卓の可否が変わります。自宅等のPCで受ける自宅受検型(Webテスト)は電卓使用可、テストセンターで受ける**C-GABは電卓不可(筆算)**です。電卓が使える前提か、筆算前提かで練習の仕方が変わるので、方式を先に確認しましょう。玉手箱全体の科目・方式の地図は「玉手箱とは?対策の総まとめ」で確認できます。

コツ① 設問を先に読む(使わない数値が混ざる罠)

図表の読み取りでは、表やグラフを読む前に設問を読みます。これが最大のコツです。

表には、その設問では使わない数値があえて混ぜてあることがよくあります。先に表を全部読もうとすると、関係ない行や列まで目で追って時間を浪費します。順序を逆にして、

  1. 設問を読む(何を・どの年・どの項目について聞かれているか)
  2. 必要なセルだけを表から探す(使う数値だけにマーカーを引くイメージ)
  3. 計算して選択肢と照合する

の順で進めると、無駄な読み込みがゼロになります。たとえば「2024年のA社の売上の対前年増加率」を聞かれているなら、見るのはA社の2023年と2024年の売上の2マスだけ。他社の数値や他の項目(利益・従業員数など)は一切見なくてよい、と割り切ります。

同じ形式が連続するので、1問目で「設問→必要なセルだけ」の動線を作れば、残りはほぼ同じ作業の反復になります。最初の数問でリズムを掴むのが、後半のスピードに効きます。

コツ② 概算で割り切る・捨て問の判断

1問約30秒では、正確な筆算をしている時間はありません。桁を丸めた概算で十分なことがほとんどです。

  • 選択肢の差が大きいときは概算で正解を一つに絞れる。例:選択肢が「約12%/約18%/約25%」のように離れていれば、ざっくり計算で十分。
  • 割合は「分子÷分母」をざっくりで。たとえば 318 ÷ 1,240 なら「だいたい 320 ÷ 1,250 ≒ 0.256」と丸める。
  • 増加率は「増えた分 ÷ もとの数」。820 → 902 の増加率なら「増えた 82 ÷ もと 820 = ちょうど 10%」のように、きれいな数に寄せて見当をつける。

そして、迷う問題・桁数の多い問題は潔く捨てるのも戦略です。全29問を解き切ることより、解いた問題の正答率を上げるほうが得点は安定します。難問で時間を溶かして簡単な問題に手が回らない、というのが一番もったいないパターンです。

場面判断
選択肢の幅が広い概算で即決(時間をかけない)
選択肢が僅差必要な桁まで計算(ここだけ丁寧に)
計算が重い・条件が複雑いったん飛ばして後回し or 捨てる

オリジナル例題(典型パターンを再現・検算つき)

ここからは、図表の読み取りの典型パターンを再現したオリジナル例題です(実際の試験問題の転載ではありません)。表からの「割合」と「増加率」の読み取りを、概算と検算つきで解いていきます。

例題1:構成比(割合)を読み取る

下の表は、ある月のオンライン書店X店の販売冊数(ジャンル別)です。

ジャンル販売冊数(冊)
文芸1,240
ビジネス860
実用540
児童360
合計3,000

:ビジネスの販売冊数は、全体のおよそ何%か。最も近いものを選べ。 (選択肢:ア 約22%/イ 約25%/ウ 約29%/エ 約33%)

解き方:設問は「ビジネスが全体の何%か」だけを聞いています。使うのはビジネスの 860 冊合計の 3,000 冊の2つだけ。文芸・実用・児童の数値は読みません(コツ①)。

割合は「分子 ÷ 分母」なので、

860 ÷ 3,000 = 0.2866… ≒ 約29%

選択肢が約4%刻みで離れているので、概算で十分絞れます(コツ②)。よって答えはウ 約29%

検算:逆算して確かめます。3,000 × 0.29 = 870 冊。実際のビジネスは 860 冊なので、ほぼ一致(誤差は丸めの分)。約29%で正しいと確認できました。

例題2:対前年増加率を読み取る

下の表は、Y社の年間売上高(単位:億円)の推移です。

売上高(億円)
2022年750
2023年820
2024年902

:2024年の売上高の、2023年に対する増加率はおよそ何%か。 (選択肢:ア 約8%/イ 約10%/ウ 約12%/エ 約14%)

解き方:聞かれているのは2023年→2024年の増加率だけ。使うのは2023年の 8202024年の 902 の2つで、2022年の 750 は使いません(コツ①)。

増加率は「増えた分 ÷ もとの数」です。

  • 増えた分:902 − 820 = 82
  • 増加率:82 ÷ 820 = 0.1 = 約10%

きれいに 10% になるので、答えはイ 約10%

検算:もとの 820 を10%増やすと、820 × 1.1 = 902。表の2024年の値(902)とぴったり一致します。増加率10%で正しいと確認できました。

ポイントは2問とも、設問が要求する2つの数値しか見ていないこと。表の他の行は完全に無視しています。この「必要な数値だけ拾う」感覚が、図表の読み取りのスピードを決めます。

図表の読み取りで点を取る練習法

図表の読み取りは知識で差がつくテーマではなく、反復で付くスピードが得点を決めます。同じ「設問→必要セル→概算→照合」の動線を、時間を計りながら繰り返し回すのが王道です。

  • 必ず時間を計る:1問30秒の感覚を体に入れる。漫然と解かない。
  • 間違えた問題は「読み違い」か「計算ミス」か切り分ける:先読みが甘いのか、概算が雑なのかで対策が変わる。
  • 電卓あり/なしを本番に合わせる:C-GAB(筆算)を受けるなら、普段から筆算で練習する。

性格検査の中核技術であるOPQなどの測定技術を含め、玉手箱の科目構成は日本SHL社の公式情報(GABのサービス紹介)で確認できます。市販の問題集や再現問題はありますが、玉手箱に「公式の過去問」は存在しないため、形式に慣れる演習量で差をつけるのが現実的です。

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まとめ

  • 図表の読み取りの鉄則は**「設問を先読み → 必要な数値だけ概算で拾う」**の2つ
  • 標準は15分29問(1問約30秒)、企業により35分40問の重い版もある。いずれもスピード勝負
  • 表には使わない数値が混ざるので、設問が要求する数字だけを見る
  • 迷う問題は捨て、選択肢の幅が広い問題は概算で即決して確実な得点を積む
  • 知識より反復で付くスピードが得点を決める。時間を計って解く習慣をつける

時間圧に慣れることが何より効くテーマです。まずは1問30秒を意識して、図表の読み取りの型を反復で身につけていきましょう。前日対策が必要な人は「玉手箱・一夜漬け突破メニュー」もあわせてどうぞ。