基本情報技術者試験が1か月で間に合うかどうかは、科目Bに何日割けるかで決まります。合格には科目Aと科目Bの評価点がそれぞれ600点以上必要で、IPA(情報処理推進機構)が公表した2026年8月分の評価点分布では、科目Bで600点以上だった人は約半数(48.0%)でした。科目Bはプログラムの動きを追う技能を問うので、慣れるまでに日数がかかります。

この記事では、残りの日数ごとに科目Aと科目Bへどう時間を配るかを先に示し、そのうえで最終日の2026年12月27日から逆算した締切をまとめます(2026年10月7日時点の公表内容にもとづきます)。なお、この記事は基本情報技術者試験の対策アプリ「AIナビスタ」を運営する私たちが書いています。

結論:間に合うかは科目Bに何日割けるかで決まる

短期間で受けるときに決めるべきことは、勉強の総量よりも科目Aと科目Bへの時間の配分です。科目Aで高い点を取っても、科目Bが600点に届かなければ不合格になり、点数を融通し合うことはできません。

判断の材料内容短期で受けるときの意味
合格基準科目A・科目Bの評価点がそれぞれ600点以上(1,000点満点)片方だけ仕上げても合格にならない
試験時間・問題数科目A 90分60問、科目B 100分20問科目Bは1問に約5分かけて考える
科目Bの中身アルゴリズムとプログラミング16問、情報セキュリティ4問大半がプログラムの動きを追う問題
600点以上の人の割合科目A 65.9%、科目B 48.0%(2026年8月分)届かない人は科目Bのほうが多い

試験時間・問題数と科目Bの分野別の問題数は、IPAの試験要綱(Ver.5.6・2026年10月の試験から適用)によります。同じ要綱には、科目Aは60問のうち56問、科目Bは20問のうち19問で評価すること、科目Aが終わってから科目Bを始めるまでに最長10分の休憩を取れることも書かれています。

私たちの整理では、科目Aは知識を問う四肢択一なので、残り日数が少なくても分野を絞れば点を積み上げやすい科目です。科目Bは、変数の値を書き出しながらプログラムを追う技能を問うので、慣れるまでに日数がかかります。基本の考え方は、残りが短いほど、科目Bに早く手を付けて長く時間を取ることです。

見通しを立てるには、勉強を始める前に科目Bの公開問題を1問、時間を気にせず解いてみる方法があります。変数の値を書き出しながら最後まで追えて、解説を読めば納得できるなら、1か月でも科目Bの練習を積み上げられる見込みがあります。途中で何をしているプログラムか分からなくなるなら、科目Bに使える日数を多めに見込み、受験日を後ろに置くか、2回受ける前提で計画してください。

600点に届かない人は科目Bのほうが多い(2026年8月の評価点分布)

IPAが2026年9月28日に公表した基本情報技術者試験 評価点分布(令和8年8月分)を、600点を境に3つに分けると次のようになります。

評価点科目A科目B
600点以上6,478名(65.9%)5,405名(48.0%)
550〜599点1,628名(16.6%)1,797名(16.0%)
549点以下1,723名(17.5%)4,055名(36.0%)
合計9,829名11,257名

割合は、評価点分布の人数から私たちが計算したものです。科目Bで600点以上だったのは約半数で、549点以下の人も3人に1人以上いました。受験者の勉強期間までは分かりませんが、私たちの整理では、科目Bを直前の詰め込みで乗り切る前提で計画を立てるのは避けたほうが安全です。

ただし、科目Aと科目Bは受けた人数が違うので、2つの割合を同じ母集団の比較として読むことはできません。科目Bのほうが約1,400名多いのは、おもに修了試験に合格して科目Aを免除された人(科目Bだけを受ける人)が含まれるためと考えられます。差を大きく見積もりすぎず、「科目Bは約半数しか600点に届かない科目」と受け止めるのが妥当です。

参考までに、IPAの統計情報(推移表)では、2026年度4〜8月の受験者55,282名のうち合格者は21,654名で、およそ4割でした。600点という基準の意味(評価点はIRTという方式で算出され、正解数の割合とそのまま一致するわけではないこと)は、基本情報技術者試験はアプリだけで合格できるかで説明しています。

残り日数別の配分:60日以上・30〜59日・30日未満

私たちの整理では、残り日数ごとの配分は次の表のようになります。比率は勉強時間の目安で、ITの実務経験がある人は科目Aを減らし、未経験の人は科目Aの基礎に少し多めに時間を取ってください。

残り日数科目A:科目B(時間の目安)科目Aの進め方科目Bの進め方
60日以上前半 6:4 → 後半 4:6分野別に毎日少しずつ全範囲を回す最初の週から週に数回始め、後半で比重を上げる
30〜59日4:6間違えた分野を中心に回し、深追いしない毎日1〜2問を、変数の値を書き出して追う
30日未満3:7用語の確認と、間違えた問題の解き直しに絞る毎日の中心にする。最後の数日は時間を計って通しで解く

どの期間でも、最後の1〜2週(30日未満なら最後の数日)は、科目A 90分と科目B 100分を続けて解く練習に使ってください。休憩をはさんで合計3時間を超える試験なので、科目Bの後半で集中が切れないかを本番前に確かめておく必要があります。

どの期間でも、問題演習をスマホで進めるなら、私たちが運営するアプリ「AIナビスタ」の基本情報技術者対策版も使えます。試験日と実力診断テストの結果から毎日の課題を組み立てる学習プランがあり、IPA公開の試験問題1,699問を出典を明記して収録し、そのすべてに解説動画を付けています。科目BはIPAが公開している科目B形式の問題50問とオリジナルの予想模試で練習でき、画面に手書きメモを残せるので、短いトレースならアプリの中でも書き出せます。

分からないところはその場でAIに質問できます(IPAから公認・監修を受けたアプリではありません)。Web版は無く、アプリをダウンロードして使います。ダウンロードは無料で、無料のまま一部の問題に挑戦できます。すべての問題・解説動画の見放題・AIへの質問し放題・予想模試はプレミアムプラン(月額¥3,900)で使え、最初の3日間は無料です。

60日以上ある人:科目Aを毎日、科目Bも最初の週から

残りが2か月以上ある人は、科目Aの全範囲を一通り回す時間があります。働きながら準備する社会人でも、1日に解く問題数を決めて毎日続ければ、科目Aは少しずつ積み上がります。注意したいのは、科目Aが仕上がるのを待ってから科目Bに入る進め方です。トレースは慣れるまでに日数がかかるので、最初の週から週に数回は科目Bに手を付けておくほうが、後半で焦らずに済みます。

30〜59日の人:最初から科目Bを毎日に入れる

残りが1〜2か月の人は、科目Bを最初から毎日の予定に入れてください。科目Aは全範囲を均等に回すより、模試や問題演習で間違えた分野に戻る形のほうが、限られた日数で点につながりやすくなります。科目Bの形式でIPAが公開している問題の数や、トレースを紙で練習する理由は基本情報技術者試験はアプリだけで合格できるかにまとめたので、ここでは繰り返しません。

30日未満の人:科目Bを中心にし、受けるかどうかも決める

残りが1か月を切っている人は、勉強時間の大半を科目Bに回し、科目Aは用語の確認と解き直しに絞ります。それでも、ITの経験がまったく無い状態から30日未満で科目Aと科目Bの両方を600点以上にそろえるのは、楽な計画ではありません。後で説明する「2回受けるか1回に賭けるか」と、「間に合わないと判断したら」の節も読んだうえで、受験日を決めてください。

12月27日から逆算する場合の締切

2026年中に受けるなら、締切は3つです。CBT方式の基本情報技術者試験は2026年12月28日以降に休止する予定で、最後の試験開催日は12月27日です(IPAのCBT方式の3試験における2026年5月以降の試験実施についてのお知らせ)。

締切日付根拠
12月27日に受けるための申込み12月24日まで予約できるのは申込日の3日後から(例:12月24日に申し込むと12月27日から)
12月27日までに2回受けるための1回目の受験11月26日まで再申込で指定できるのは前回受験日の翌日から起算して30日を超えた日以降
予約した試験日の変更受験日の3日前まで申込先の案内

申込み・予約・変更の規則は、IPAが申込先として案内しているCBT-Solutionsの基本情報技術者試験の案内によります。12月25日以降に申し込むと12月27日は選べません。また、会場によっては12月27日より前に試験が終わる場合があり、空席も会場ごとに違います。

12月24日は申し込める最後の日で、その時点で希望の会場に空席が残っているとは限りません。1か月かけて準備して12月27日やその直前に受けるなら、勉強を始める11月下旬より前に申し込んで受験日を押さえ、そこから逆算して予定を組むほうが確実です。支払方法ごとの注意や、受験できなかったときに受験手数料が返還されないことなどは、基本情報技術者試験はいつまで受けられるかに詳しくまとめています。

2回受ける前提か、1回に賭けるか(30日ルール)

12月27日までに2回受けられるのは、1回目を11月26日までに受けた場合だけです。2回受けるか1回に賭けるかで、勉強の配分も変わります。

方針1回目の時期向いている人配分の考え方
2回受ける前提11月26日まで(できれば11月前半)10月中から勉強時間を確保できる人1回目までに科目Bの基礎を一通り終える。2回目までの30日は弱かった科目に寄せる
1回に賭ける12月の空いている日勉強を始めるのが11月以降の人受験日を先に決めて逆算し、最後の1〜2週を通しの練習に充てる

2回受ける前提にしても、2回目の日程は空席と会場の開催状況しだいです。11月26日に1回目を受けた場合、2回目に指定できるのは12月27日の1日だけなので、余裕を残したいなら1回目は11月の前半に置くほうが現実的です。

科目Bで落ちたあとの30日

申込先のよくある質問によると、1回目で科目Bだけ600点に届かなかった場合も成績は次回に持ち越せず、次回は科目Aと科目Bの両方を受け直します。そのため、次の受験までの30日は科目Bを中心にしつつ、科目Aも毎日少しずつ続けて点を落とさないようにします。私たちの整理では、配分は表の「30日未満」と同じ科目A 3:科目B 7が目安です。

なお、修了試験に合格して科目Aが免除されている人は、試験では科目Bだけを受けるので、勉強時間はほぼすべて科目Bに回せます。免除の有効期間は免除の開始日から1年間で、休止中に期限が切れる人への措置は2026年10月7日時点で案内されていないため、該当する人は12月27日までの受験を優先してください。

間に合わないと判断したら:再開は未発表、新制度でも構成は同じ予定

12月27日までに仕上がらないと判断した場合は、無理に受けずに次の機会を待つ選択もあります。ただし、2026年10月7日時点で再開の時期は発表されていません。IPAは、2027年1月以降の試験実施について2026年秋頃にウェブページで知らせるとしています。

一方で、IPAが公開している情報処理技術者試験の見直しの検討状況では、基本情報技術者試験について次の案が示されています。

項目見直し案での扱い
新制度の開始時期2027年度春頃(現行制度は2026年度の試験実施をもって終了する予定)
試験区分継続
試験時間・問題数科目A 90分60問、科目B 100分20問(現行と同じ)
出題範囲科目Aの体系の変更と科目Bの一部変更があるが、問う知識・技能の範囲そのものは変わらない
科目A免除制度変更の予定なし

新制度の基本情報技術者試験のシラバス案(Ver.0.1)も、2026年9月30日にIPAのウェブページに掲載されました。いずれも検討段階の案で、IPAは今後変更が生じる場合があるとしています。案のとおりなら、いま進めている科目Aと科目Bの勉強は、次の試験でも土台として使えます。

12月27日を見送る場合も、勉強を止めずに科目Bの練習を続けておくと、再開の発表が出たときに残り日数の配分を組み直すだけで済みます。発表されていない日付を前提に計画を立てず、IPAの試験情報ページを定期的に確認してください。

まとめ

  • 1か月で間に合うかを決めるのは、科目Bに何日割けるか。科目A・科目Bはそれぞれ600点以上が必要で、点数を融通し合えない
  • 2026年8月の評価点分布では、600点以上は科目A 65.9%・科目B 48.0%。母数が違うので差を強調しすぎず、科目Bは約半数しか届かない科目と受け止める
  • 私たちの整理では、配分の目安は60日以上なら前半6:4→後半4:6、30〜59日なら4:6、30日未満なら3:7(科目A:科目B)
  • 12月27日に受けるなら申込みは12月24日まで、2回受けるなら1回目の受験は11月26日まで
  • 科目Bだけ落ちても次回は両方を受け直す。次の受験までの30日は科目Bを中心にする
  • 再開時期は未発表。2027年度春頃からの新制度案でも、試験時間と問題数は現行と同じ予定

残りの日数を数えたら、まず科目Bに何日使えるかを決め、その日数で12月27日に受けるか、次の機会に回すかを判断してください。