数列を速く解く人は、規則をひらめいているのではありません。いきなり法則を当てにいかず、まず隣どうしの差を書き出す——この手続きを機械的に踏んでいるだけです。差が一定でなければ、①差が交互 ②差の差が一定(階差) ③掛け算・割り算 ④2つの数列が交互に並んでいる、の順に疑います。ここでは階差・等比・交互・前2項の和と、規則性の種類を散らした5問を、解答・解説つきで用意しました。まず自分で解いてから、「解答・解説を見る」を開いて答え合わせをしましょう。

ここで紹介する例題は、SCOAの実際の問題ではなく、典型的な出題パターンを再現したオリジナル例題です(SCOAの問題は提供元が公開しておらず、公式の過去問は存在しません)。解き方の型と数理全体の話は「SCOAの数理(非言語)対策」にまとめています。

なお、私たちがSCOA対策アプリを作るにあたって整理した13単元のうち、最も収録問題数が多くなったのが数列で112問でした。これは「SCOAで数列が頻出する」という試験の事実ではありません(公式は単元すら公表していません)。私たちが作った112問では、それだけ多様な規則性を作り込む必要があった、という私たち側の話です。裏を返せば、数列は規則を見抜く手続きを型として持っているかで差がつく単元だということです。

例題① 階差数列:差の差が一定

数列の規則を見つけて、□に入る数を答えなさい。 4, 5, 8, 13, 20, □

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答え:29

まず何も考えず、隣どうしの差を書き出します。

  1. 差を書き出す:4→5 が +1、5→8 が +3、8→13 が +5、13→20 が +7
  2. 差は一定ではありません。しかも +1, +3, +5, +7 と一方向に増えているので、「差が交互」ではないと分かります
  3. そこで差の差を見ます:1→3 が +2、3→5 が +2、5→7 が +2 → 差の差が2で一定
  4. ということは次の差は 7 + 2 = +9。答えは 20 + 9 = 29

検算します。4, 5, 8, 13, 20, 29 の差は 1, 3, 5, 7, 9。その差の差は 2, 2, 2, 2 ですべて一定 ✓。差が「一定ではないが、規則的に増えている」と気づいた時点で、もう一段だけ差を取る——これが階差数列の型です。差を書き出さずに 4, 5, 8, 13 をにらんでいても、この規則はまず見えません。

例題② 掛け算:差ではなく「割ってみる」

数列の規則を見つけて、□に入る2つの数を答えなさい。 2, 6, 18, 54, □, □

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答え:162, 486

ここでも手順どおり、まず差からです。差が空振りしたことを確認してから掛け算に移るのが大事です。

  1. 差を書き出す:+4, +12, +36 → 一定ではない。符号も全部プラスなので「差が交互」ではない
  2. 差の差を見る:4→12 が +8、12→36 が +24 → これも一定ではない(階差ではない)
  3. ①②が外れたので③掛け算・割り算を疑い、隣どうしを割ります:6 ÷ 2 = 3、18 ÷ 6 = 3、54 ÷ 18 = 3 → 3倍ずつ
  4. 54 × 3 = 162、162 × 3 = 486

検算します。2, 6, 18, 54, 162, 486 は、割ればすべて商が3 ✓。数の伸び方が急なら掛け算、と覚えておくと切り替えが速くなります。

例題③ 応用:差そのものが2倍ずつ増える

数列の規則を見つけて、□に入る数を答えなさい。 3, 4, 6, 10, 18, 34, □

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答え:66

②の「掛け算」と①の「階差」の合わせ技です。もとの数列をいくら割っても規則は出ません(4 ÷ 3 は割り切れません)が、差を取ってから割ると見えます。

  1. 差を書き出す:+1, +2, +4, +8, +16
  2. 差の差は 1, 2, 4, 8 で一定ではないので、階差ではありません
  3. しかし差そのものが2倍ずつになっています:2 ÷ 1 = 2、4 ÷ 2 = 2、8 ÷ 4 = 2、16 ÷ 8 = 2
  4. 次の差は 16 × 2 = +32。答えは 34 + 32 = 66

検算します。3, 4, 6, 10, 18, 34, 66 の差は 1, 2, 4, 8, 16, 32 で、すべて前の差のちょうど2倍 ✓。ここで効いているのは、「差を書き出す」と「割ってみる」を、もとの数列だけでなく差の列にも当てるという発想です。1段目で外れても、同じ道具を2段目でもう一度使ってください。

例題④ 2つの数列が交互に並んでいる

数列の規則を見つけて、□に入る2つの数を答えなさい。 2, 30, 5, 25, 8, 20, □, □

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答え:11, 15

差を書き出した瞬間に「これは違うぞ」と分かるタイプです。

  1. 差を書き出す:+28, −25, +20, −17, +12 → 符号はプラスとマイナスが交互ですが、大きさがバラバラなので「差が+◯, −△の交互」ではありません
  2. 差の差も掛け算の商も一定になりません。①②③が全滅
  3. 数が大きく上下にジグザグしているので、④2つの数列が交互を疑い、位置で分けます
  4. 奇数番目:2, 5, 8 → +3ずつ → 次は 8 + 3 = 11
  5. 偶数番目:30, 25, 20 → −5ずつ → 次は 20 − 5 = 15
  6. □は7番目(奇数番目)と8番目(偶数番目)なので、答えは 11, 15

検算します。2, 30, 5, 25, 8, 20, 11, 15 を位置で分けると、奇数番目は 2, 5, 8, 11 で +3ずつ ✓、偶数番目は 30, 25, 20, 15 で −5ずつ ✓。増えたり減ったりを繰り返す数列は、1本だと思わずに、1つおきに拾って2本に分解する。 分解さえできれば、中身はただの等差数列です。

例題⑤ 前2項の和:①〜④が全部外れたら

数列の規則を見つけて、□に入る数を答えなさい。 1, 3, 4, 7, 11, 18, □

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答え:29

探索リストを最後まで使い切る問題です。順に潰していきます。

  1. 差を書き出す:+2, +1, +3, +4, +7 → 一定でもなく、交互でもない
  2. 差の差:−1, +2, +1, +3 → 一定ではない(階差ではない)
  3. 割ってみる:3 ÷ 1 = 3、4 ÷ 3 = 1.33… → 商が一定ではない(掛け算ではない)
  4. 1つおきに拾う:奇数番目 1, 4, 11 / 偶数番目 3, 7, 18 → どちらも規則が出ない(交互でもない)
  5. ①〜④が全滅したら、「前2項の和」を試します:1 + 3 = 4 ✓、3 + 4 = 7 ✓、4 + 7 = 11 ✓、7 + 11 = 18 ✓
  6. 答えは 11 + 18 = 29

検算します。1, 3, 4, 7, 11, 18, 29 で、4=1+3、7=3+4、11=4+7、18=7+11、29=11+18 と、すべての項が直前2項の和になっています ✓。実はここでも差の書き出しが効いています。差の列 2, 1, 3, 4, 7, 11 の後半に、元の数列(3, 4, 7, 11)がそのまま顔を出しているからです。差が元の数を繰り返し始めたら、足し算タイプのサイン。 手を動かした人にだけ見えるヒントです。

もっと解きたくなったら

5問を振り返ると、やったことは全問同じです。差を書き出す → 一定か見る → 外れたら、交互・階差・掛け算・2数列の交互の順に疑う → それも全滅なら前2項の和。 ひらめきではなく、この探索手順を最後まで機械的に走らせられるかどうかが分かれ目です。手が止まったら、頭の中で悩まずにまず差を書き出してください。

数理全体の型と、私たちが整理した13単元の内訳は「SCOAの数理(非言語)対策」にまとめています。アプリ「AIナビスタ」なら、この112問の数列をはじめ数理を段階的に演習でき、分からないところはその場でAIに質問できます。ただし収録しているのは数理(非言語)だけで、言語・常識・英語・論理は入っていません。数理を固めるための道具として使ってください。