割合と比の問題は、「何を主語にして式を立てるか」を決めた瞬間に解けます。濃度算なら濃度のままではなく「食塩の重さ」で、年齢算なら「x年後には全員が同じだけx歳ずつ歳を取る」で式を立てる。水を加えても入れ替えても、この2つの型は変わりません。ここでは基本から応用まで5問を用意しました。まず自分で解いてから、「解答・解説を見る」を開いて答え合わせをしましょう。

なお「割合と比(年齢算・濃度算)」は、私たちがSCOA対策アプリを作るにあたって整理した13単元のひとつで、収録69問と分量の多い単元です。ただしこれは私たちの整理であって、公式の出題範囲や頻度ではありません(提供元は「数理」という尺度名しか公表していません)。

ここで紹介する例題は、SCOAの実際の問題ではなく、典型的な出題パターンを再現したオリジナル例題です(SCOAの問題は提供元が公開しておらず、公式の過去問は存在しません)。解き方の型と13単元の全体像は「SCOAの数理(非言語)対策」で解説しています。

例題① 水を加えて薄める|食塩の重さは変わらない

12%の食塩水250gに水を加えて、8%の食塩水にしたい。水を何g加えればよいか。

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答え:125g

濃度算の鉄則は、濃度のまま足し引きせず、「食塩の重さ」を主語にすることです(濃度は足せませんが、食塩の重さは足せます)。この問題で決定的なのは、加えるのは水だけなので、食塩の重さは30gのまま変わらないという点です。

  1. はじめの食塩 = 250 × 0.12 = 30g
  2. 加える水を x g とすると、全体は (250 + x) g、食塩は30gのまま
  3. 濃度が8%:30 ÷ (250 + x) = 0.08 → 30 = 0.08 × (250 + x)
  4. 展開:30 = 20 + 0.08x → 0.08x = 10 → x = 125

別解:食塩の重さが同じなら、全体の重さと濃度は反比例します。濃度が12%→8%(3分の2倍)なら全体は2分の3倍で 250 × 3/2 = 375g、加えた水は 375 − 250 = 125g です。電卓が使えるかどうかは公式のどこにも記載がなく断定できないので、こうした筆算を減らす工夫を持っておくと安全です。(検算:250 + 125 = 375g、食塩は30gのままなので 30 ÷ 375 = 0.08 = 8% ✓)

例題② 父の年齢が子の2倍になるのは何年後?

現在、父は42歳、子は12歳である。父の年齢が子の年齢のちょうど2倍になるのは何年後か。

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答え:18年後

年齢算の鉄則は、「x年後には、全員が同じだけx歳ずつ歳を取る」をそのまま式にすることです。片方だけを増やさないよう注意します。

  1. x年後、父は (42 + x) 歳、子は (12 + x) 歳
  2. 「父が子の2倍」を式に:42 + x = 2 × (12 + x)
  3. 展開:42 + x = 24 + 2x → x = 18

(検算:18年後、父は60歳、子は30歳。60 ÷ 30 = 2 でちょうど2倍 ✓)

ポイントは、年齢差は永久に変わらないことです(この親子はずっと30歳差)。「父が子の2倍」=「父−子=子」なので、年齢差と子の年齢が等しくなるとき、つまり子が30歳になるときだと気づけば、30 − 12 = 18年後 と暗算でも出せます。

例題③ 年齢の比が変わる|比は「実際の年齢」に直してから

現在、兄と弟の年齢の比は5:2である。8年後には、2人の年齢の比が3:2になる。現在の兄の年齢は何歳か。

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答え:10歳(弟は4歳)

比が出てきたら、比のままでは計算できないので、共通の文字を使って「実際の年齢」に直すのが第一手です。

  1. 現在の兄を 5k 歳、弟を 2k 歳 とおく(比が5:2なので)
  2. 8年後は、兄 (5k + 8) 歳、弟 (2k + 8) 歳。ここでも2人とも同じだけ+8します
  3. これが3:2 なので、たすきがけで等式に:2 × (5k + 8) = 3 × (2k + 8)
  4. 展開:10k + 16 = 6k + 24 → 4k = 8 → k = 2
  5. 兄 = 5 × 2 = 10歳(弟 = 2 × 2 = 4歳)

(検算:現在は10歳と4歳で 10:4 = 5:2 ✓。8年後は18歳と12歳で 18:12 = 3:2 ✓)

よくある間違いは、比の数字にそのまま8を足して「5+8:2+8」としてしまうことです。5や2は実際の年齢ではなく比の値なので、必ず k を立てて実数に直してから足します。

例題④ 男女で増減が違うとき、もとの人数は?

ある会社の昨年の社員数は500人だった。今年は男性社員が10%増え、女性社員が20%減った結果、社員数は全体で2%減少した。昨年の男性社員は何人か。

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答え:300人

「全体の増減」と「部分ごとに違う増減」が混ざる問題は、求めたいものを x とおいて、増減後の人数の合計で式を立てます。ここでも足し合わせるのは割合ではなく人数——濃度算で食塩の重さを足したのと同じ発想です。

  1. 昨年の男性を x 人とすると、女性は (500 − x) 人
  2. 今年の男性は10%増 = 1.1x 人、女性は20%減 = 0.8 × (500 − x)
  3. 今年の全体は2%減 = 500 × 0.98 = 490人
  4. 式:1.1x + 0.8 × (500 − x) = 490
  5. 展開:1.1x + 400 − 0.8x = 490 → 0.3x = 90 → x = 300

(検算:昨年の男性300人 → 今年は330人。女性200人 → 今年は160人。330 + 160 = 490人で、500人の2%減と一致 ✓)

「10%増=×1.1」「20%減=×0.8」の置き換えは、損益算の「○割増し=×1.○」とまったく同じ道具です。

例題⑤ 取り出して同じ量の水を入れる|濃度算の応用

15%の食塩水400gから何gかを取り出し、取り出したのと同じ量の水を加えたところ、9%の食塩水になった。取り出した食塩水は何gか。

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答え:160g

濃度算のなかでも上位の応用ですが、やることは例題①と同じで、「食塩の重さ」を追いかけるだけです。押さえるのは2点。①取り出すのは食塩水なので、食塩も一緒に減る(水だけ抜けるのではありません)。②同じ量の水を入れるので、全体は400gに戻る。

  1. はじめの食塩 = 400 × 0.15 = 60g
  2. 取り出す食塩水を x g とすると、そこに含まれる食塩は 0.15x g(取り出す時点の濃度は15%のまま)
  3. 残った食塩 = (60 − 0.15x) g。そのあと水を x g 入れるので、全体は400gに戻り、食塩は増えません
  4. 濃度が9%:60 − 0.15x = 0.09 × 400 = 36 → 0.15x = 24 → x = 160

(検算:160g取り出すと食塩は 160 × 0.15 = 24g減り、残りは 60 − 24 = 36g。このとき食塩水は240g。そこへ水を160g足すと全体は400gに戻り、36 ÷ 400 = 0.09 = 9% ✓)

別解:x g を取り出すと食塩は (400 − x) ÷ 400 倍に減り、水を足して全体は400gに戻るので、濃度も同じ倍率で下がります。15% × (400 − x) ÷ 400 = 9% → (400 − x) ÷ 400 = 0.6 → 400 − x = 240 → x = 160

もっと解きたくなったら

濃度算は「食塩の重さ」を主語に、年齢算は「x年後には全員がx歳ずつ増える」を式に——この2つの型さえ持っていれば、水を加える・取り出して入れ替える・比で問われる、といった設定の違いに振り回されずに済みます。しかも「○%増=×1.○」の置き換えは損益算・仕事算・速度算にもそのまま効くので、投資対効果の高い単元です。

解き方の型と13単元の全体像は「SCOAの数理(非言語)対策」に、SCOAそのものの全体像は「SCOAとは?対策の全体像」にまとめています。

アプリ「AIナビスタ」なら、割合と比の基本パターンから入れ替え型まで段階的にもっと演習できます。解説を読んでも分からないところは、その場でAIに質問できます。ただし収録しているのは数理(非言語)だけです。