SPIの仕事算は、全体の仕事量を1と置くのが出発点です。1人で12日かかるなら1日あたり1/12、というように、日数の逆数がそのまま1日の仕事量になります。件数や枚数といった実数が出てくる問題でも、この置き方はそのまま使えます。加えて、1人あたりの量を文字で置いて連立させるルートを知っておくと、迷ったときの逃げ道になります。ここでは分担日数・残りの分け方・人数からの逆算・途中参加・四捨五入つきの5問を、解答と解説のトグルつきで用意しました。

ここで紹介する例題は、SPIの実際の問題ではなく、典型的な出題パターンを再現したオリジナル例題です。まず自分で解いてから、「解答・解説を見る」を開いて答え合わせをしましょう。

例題① 分担日数:途中で1人が抜ける

ある資料のスキャン作業は、Pが1人で行うと20日、Qが1人で行うと30日かかる。実際には2人で同時に作業を始めたが、作業開始からしばらくしてPが抜け、残りはQが1人で仕上げた。作業開始から終了までちょうど24日かかったとき、Pが働いた日数は何日か。

A 4日 B 5日 C 6日 D 8日 E 10日 F 12日

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答え:A 4日

全体を1と置いて、1日あたりの仕事量を分数にします。ここで大事なのは、Qは最初から最後まで働いているという読み取りです。

  1. 全体の仕事量を1とすると、Pの1日の仕事量は1/20、Qの1日の仕事量は1/30
  2. Qは24日すべて働いたので、Qがした仕事量 = 1/30×24 = 24/30 = 4/5
  3. 残りがPの仕事量 = 1−4/5 = 1/5
  4. Pが働いた日数 = 1/5 ÷ 1/20 = 1/5×20 = 4日

(検算:4/20+24/30 = 1/5+4/5 = 1 ✓)

引っかけの正体は「24日」の読み方です。24日はあくまで作業全体にかかった日数であって、Pが働いた日数でもQが働いた日数でもありません。Pが働いた日数をa日として 1/20×a + 1/30×24 = 1 と立ててもまったく同じ式になります。抜けた人ではなく、最後まで働いた人の分を先に確定させると計算が1回で済みます。

例題② 割合の分担:残りを均等に分ける

ある倉庫の棚卸しを4日間で行う。初日に全体の1/4、2日目に全体の1/3を終えた。残りを3日目と4日目で均等に分けて行うとすると、4日目に行う作業量は全体のどれだけか。

A 1/6 B 5/36 C 5/24 D 1/4 E 7/24 F 5/12

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答え:C 5/24

分数で「全体の◯」と与えられているタイプは、全体を1と置いて引き算するだけで答えが出ます。日数や速さを持ち出す必要はありません。

  1. 全体を1とすると、2日目までに終わった量 = 1/4+1/3 = 3/12+4/12 = 7/12
  2. 残り = 1−7/12 = 5/12
  3. これを2日で均等に分けるので、4日目の分 = 5/12÷2 = 5/24

(検算:1/4+1/3+5/24+5/24 = 6/24+8/24+5/24+5/24 = 24/24 = 1 ✓)

引っかけの正体は割る数です。「4日間の作業」という言葉に引きずられて残りを3で割ると5/36、割らずにそのまま答えると5/12になり、どちらも選択肢に並んでいます。残りを分けるのは残っている日数なので、ここは3日目と4日目の2日分。分数の足し算では通分先を先に決めてしまう(ここでは12)と、ミスがぐっと減ります。

例題③ 逆算:人数の違いから全体量を出す

ある封筒詰めの作業を6人で分担すると、9人で分担する場合に比べて1人あたりの処理数が150通増える。このとき、封筒は全部で何通か。

A 300通 B 450通 C 900通 D 1,350通 E 2,700通 F 5,400通

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答え:E 2,700通

解き方は2つあり、どちらでも同じ答えにたどり着きます。手数が少ないのは、全体を1と置くルートのほうです。

ルート1:全体を1と置いて差を作る

  1. 全体を1とすると、6人で分担したときの1人あたりは1/6、9人なら1/9
  2. その差 = 1/6−1/9 = 3/18−2/18 = 1/18
  3. この1/18にあたるのが150通なので、全体 = 150×18 = 2,700通

ルート2:1人あたりの通数を文字で置く

  1. 9人で分担するときの1人あたりの処理数をa通とおく
  2. 6人で分担すると1人あたり150通増えるので、a+150通
  3. 全体の量はどちらの場合も同じ = 6×(a+150) = 9×a
  4. 6a+900 = 9a → 3a = 900 → a = 300
  5. 全体 = 300×9 = 2,700通

(検算:6人なら1人450通で 450×6 = 2,700通、9人なら1人300通で 300×9 = 2,700通。差は150通 ✓)

引っかけの正体は、置いた文字が何を指すかの取り違えです。ルート2のa=300は9人のときの1人あたりの数であって、答えではありません。ここで手を止めると選択肢Aの300通を、6人側の450通で止めると選択肢Bを選んでしまいます。文字を置いたら「aは何人のときの何か」をメモしておくと事故を防げます。

覚えておきたいのはルート1の2行目です。実数で与えられた差が、全体の何分のいくつにあたるかを作ると、割合の世界と実数の世界が1本の式でつながります。人数と1人あたりの量が同時に動くタイプでは、まずこの一手が使えるかを考えてみてください。作れないときにルート2へ切り替えれば、遠回りでも同じ答えに着きます。

例題④ 途中参加:遅れて加わる人がいる

720枚のラベルを貼る作業を、まずPが1分あたり24枚の速さで始めた。5分遅れてQも作業に加わり、Qは一定の速さで貼り続けた。Pが始めてから20分後に作業が終了したとき、Qの速さは1分あたり何枚か。

A 12枚 B 14枚 C 15枚 D 16枚 E 18枚 F 20枚

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答え:D 16枚

全体量が720枚と実数で与えられているので、速さ×時間の積み上げでそのまま処理できます。ポイントは、2人の働いた時間が違うことです。

  1. Pは最初から最後まで働いたので、Pの作業時間は20分
  2. Pが貼った枚数 = 24×20 = 480枚
  3. Qが貼った枚数 = 720−480 = 240枚
  4. Qは5分遅れて加わったので、Qの作業時間 = 20−5 = 15分
  5. Qの速さ = 240÷15 = 1分あたり16枚

(検算:Pが1人の5分で24×5=120枚。残り600枚を2人で15分 = (24+16)×15 = 600枚 ✓)

引っかけの正体は時間の取り違えです。Qの240枚を20分で割ると12枚となり、これも選択肢Aに用意されています。遅れて加わった人の時間は全体より短いので、それぞれの作業時間を先に書き出してから割り算に入るのが安全です。なお検算のように「1人の期間」と「2人の期間」に区切って足す解き方でも同じ答えになります。

例題⑤ 分数と小数:四捨五入して答える

ある調査業務をP、Q、Rの3人で分担した。Pは全体の3/7を、QはPの0.7倍の量を分担した。このとき、Rの仕事量はPの何倍か(必要なときは、最後に小数点以下第2位を四捨五入すること)。

A 0.3倍 B 0.4倍 C 0.5倍 D 0.6倍 E 0.7倍 F 0.9倍

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答え:D 0.6倍

全体を1と置き、PとQを求めてから引き算でRを出します。小数と分数が混ざるので、分数にそろえてから計算すると通分が楽になります。

  1. 全体を1とすると、P = 3/7
  2. Q = 3/7×0.7 = 3/7×7/10 = 3/10
  3. R = 1−3/7−3/10。分母を70にそろえて 70/70−30/70−21/70 = 19/70
  4. R÷P = 19/70 ÷ 30/70 = 19/30 = 0.6333…
  5. 小数点以下第2位を四捨五入して 0.6倍

(検算:3/7+3/10+19/70 = 30/70+21/70+19/70 = 70/70 = 1 ✓)

引っかけの正体は、割る相手を間違えることです。19/70をそのまま小数にすると0.271…で、選択肢Aの0.3倍になります。Qで割ってしまうと 19/70÷3/10 = 19/21 = 0.904…となり、こちらは選択肢Fの0.9倍。聞かれているのはPの何倍かなので、割る相手はPです。

四捨五入が必要な問題では、指示が問題文に書かれていることが多いので、まず指示された位を確認してから計算に入ると安全です。ここでは0.6333…なので小数第2位の3を切り捨てて0.6。19/30は約分できないため、素直に割り算に進んで問題ありません。割り切れない数が出た時点で慌てず、指示された桁まで出せば十分です。

もっと解きたくなったら

仕事算は、全体を1と置いて分数で積み上げるのが基本の型です。日数や割合を聞かれる問題はもちろん、件数や枚数といった実数を聞かれる問題でも、実数で与えられた差が全体の何分のいくつにあたるかを作れば、同じ土俵に乗せられます。差を作りにくい設定に出会ったら、1人あたりの量を文字で置いて連立させるルートに切り替えれば大丈夫です。手数が少ないのは全体を1と置く型、迷わず進めるのは文字で置く型と整理しておくと、初見の設定でも手が止まりません。非言語全体の頻出パターンは「SPIの頻出問題と解き方」にまとめています。

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