SPIの料金割引は、人数や個数がしきい値を超えると単価が変わる、段階的な料金計算の問題です。見るべき場所はただ一つ、割引が全体にかかるのか、しきい値を超えた分だけにかかるのかという一点。多くの問題は後者で、「6人以上の団体は5人を超えた分が5%引き」なら1〜5人目は定価のままです。ここでは、その読み落としを正面から扱う問題から、2段階の割引、総額からの逆算、平均額から人数を求める型まで、5問を解答・解説つきで用意しました。まず自分で解いてから、「解答・解説を見る」を開いて答え合わせをしましょう。
ここで紹介する例題は、SPIの実際の問題ではなく、典型的な出題パターンを再現したオリジナル例題です。割合そのものの扱い方(○割引き=×0.○ など)は「SPIの損益算の解き方」で、その演習は「SPI損益算の練習問題」で扱っています。このページは、しきい値をまたぐと単価が変わる型に絞っています。
例題① 引っかけの本体:割引になるのは「超えた分」だけ
あるバスツアーの参加費は1人2,000円である。8人までは通常料金だが、9人以上の団体の場合、8人を超えた分について15%引きになる。12人で参加したとき、参加費の総額はいくらか。
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答え:22,800円
この単元でいちばん多い失点が、ここです。「12人だから全員15%引き」と読むと答えが合いません。割引がかかるのは、しきい値の8人を超えた9人目から12人目までの4人分だけです。
- 通常料金のグループ:1〜8人目の8人 → 2,000×8 = 16,000円
- 割引後の単価:2,000×0.85 = 1,700円
- 割引グループ:9〜12人目の4人 → 1,700×4 = 6,800円
- 総額 = 16,000 + 6,800 = 22,800円
引っかけの正体は、全員が2,000×0.85=1,700円だと思い込んで計算してしまうこと。それだと1,700×12=20,400円となり、2,400円ずれます。問題文に「超えた分」「超過分」とあったら、まず人数を2つのグループに分けてから計算しましょう。(確認:定価なら2,000×12=24,000円。割引されたのは4人分の300円ずつ=1,200円で、24,000−1,200=22,800円と一致 ✓)
例題② 2段階の割引:単価が3種類に分かれる
あるコピーサービスは1枚10円だが、100枚を超えた分は定価の2割引、300枚を超えた分は定価の4割引になる(割引はいずれも定価10円を基準とする)。500枚印刷したとき、料金の総額はいくらか。
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答え:3,800円
しきい値が2つあるときは、枚数を3つの区間に切り分けます。ここでそれぞれの区間に何枚入るかを数え違えないのが要点です。
- 1〜100枚目(100枚):10円のまま → 10×100 = 1,000円
- 101〜300枚目(200枚):10×0.8 = 8円 → 8×200 = 1,600円
- 301〜500枚目(200枚):10×0.6 = 6円 → 6×200 = 1,200円
- 総額 = 1,000 + 1,600 + 1,200 = 3,800円
各区間の枚数は、しきい値どうしを引いて出します。2つ目は300−100=200枚、3つ目は500−300=200枚。「101枚目から300枚目まで」と両端の番号どうしを引いて199枚としてしまうミスが起きやすいので、区間の枚数はしきい値どうしを引くと覚えておくと安全です。(確認:全部定価なら10×500=5,000円。割引額は200枚×2円+200枚×4円=1,200円で、5,000−1,200=3,800円と一致 ✓)
例題③ 総額から逆算する:何時間借りたか
あるレンタルスペースの料金は1時間あたり1,200円だが、4時間を超えた分については25%引きになる。ある団体が支払った料金の総額は10,200円だった。この団体は何時間借りたか。
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答え:10時間
逆算型は、定価で払う分を先に確定させて残りを割引後の単価で割るという手順で片づきます。
- 定価で払う分:4時間ぶん → 1,200×4 = 4,800円
- 総額からこれを引く:10,200 − 4,800 = 5,400円(これが割引後の単価で払った分)
- 割引後の単価:1,200×0.75 = 900円
- 割引時間 = 5,400 ÷ 900 = 6時間
- 合計 = 4 + 6 = 10時間
はじめに「4時間以内で済むか」を確かめておくのも大事です。4時間ぴったりでも4,800円にしかならず、総額の10,200円に届かないので、しきい値を超えているとすぐ判断できます。ここを確認せずに10,200÷1,200=8.5時間としてしまうのが、よくある誤答です。(確認:1,200×4+900×6=4,800+5,400=10,200円 ✓)
例題④ 全体割引と超過分割引を比べる
ある商品の定価は1個500円である。A店では20個以上まとめて買うと、購入した全部の個数分の料金が1割引になる。B店では20個を超えた分の料金だけが2割引になる。30個買うとき、どちらの店がいくら安いか。
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答え:A店が500円安い
割引率だけを見るとB店の2割引が有利そうに見えますが、A店は全体にかかりB店は超過分にしかかからないため、そのままでは比べられません。それぞれ総額を出します。
- A店:500×0.9 = 450円がすべての個数に適用 → 450×30 = 13,500円
- B店の定価部分:1〜20個目 → 500×20 = 10,000円
- B店の割引部分:21〜30個目の10個、500×0.8 = 400円 → 400×10 = 4,000円
- B店の総額 = 10,000 + 4,000 = 14,000円
- 差 = 14,000 − 13,500 = A店が500円安い
面白いのは、この有利・不利が個数によって入れ替わることです。A店は450×個数、B店は400×個数+2,000円なので、40個でどちらも18,000円と並び、41個以上ではB店が安くなります。割引率の大小だけで判断しないというのが、この型の教訓です。(確認:50個ならA店は450×50=22,500円、B店は400×50+2,000=22,000円でB店が安い ✓)
例題⑤ 平均額から人数を逆算する(差額で釣り合わせる)
ある施設の入場料は1人800円だが、1つの団体で30人を超えた分は定価の2割引で1人640円、80人を超えた分は定価の5割引で1人400円になる。団体で入場し、入場料の総額を全員で等しく割ったところ、1人あたりちょうど640円になった。この団体は何人か。
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答え:100人
この型は総額の式を立てて方程式を解いてもかまいませんが、差額に注目すると暗算に近い速さで解けます。平均を640円にそろえるとは、640円より多く払った人の超過分の合計と、640円より安く済んだ人の不足分の合計が、ぴったり打ち消し合う状態のことです。
- 単価を区間ごとに整理する:1〜30人目は800円、31〜80人目は640円、81人目以降は400円
- 目標の平均は640円。31〜80人目はちょうど640円なので、何人いても平均を動かさない
- 払いすぎている側:1〜30人目は1人あたり800−640=160円多い → 160×30 = 4,800円の超過
- 安く済んでいる側:81人目以降は1人あたり640−400=240円少ない → 1人増えるごとに240円ぶん打ち消せる
- 必要な人数 = 4,800 ÷ 240 = 20人
- よって団体は 80 + 20 = 100人
なお、団体が80人以下の場合は、平均が640円になることはありません。割高な1〜30人目がいる一方で、640円より安く済む人が1人もいないため、平均は640円を上回るからです。答えが2段階目の区間に無いことも、この差額の考え方で説明できます。(確認:800×30+640×50+400×20 = 24,000+32,000+8,000 = 64,000円、64,000÷100 = 640円 ✓)
もっと解きたくなったら
料金割引は、しきい値で人数や個数を区間に分けるという一手を最初に打てるかどうかで、解けるかどうかが分かれます。読むべきは「何人以上か」ではなく「どこから先の分が割引になるか」。2段階なら区間を3つに切り、逆算型は定価部分を先に確定させ、比較型は割引率でなく総額で並べ、平均から人数を求める型は差額で釣り合わせる。この流れを押さえておけば、数値が変わっても同じ手順で処理できます。割合や倍率そのものの扱いに不安があるときは「SPIの損益算の解き方」を、非言語全体の頻出パターンは「SPIの頻出問題と解き方」を確認してみてください。
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