玉手箱の英語は、論理的読解(GAB形式)と長文読解(IMAGES形式)の2形式です。問われるのは難しい単語を知っているかではなく、英文を速く読んで要点をつかむ力。ここでは2形式を混ぜた5問を、日本語訳・語注つきで用意しました。まず自分で答えを決めてから、「解答・解説を見る」を開いて答え合わせをしましょう。
ここで紹介する例題は、玉手箱の実際の問題ではなく、典型的な出題パターンを再現したオリジナル例題です(玉手箱に公式の過去問は存在しません)。解き方の型は「玉手箱の英語対策」で解説しています。
解く前に、2形式の答え方だけ確認しておきます。論理的読解(GAB形式)は、設問が本文から見て A 正しい / B 間違っている / C 判断できない のどれかを選ぶ形式で、判断の根拠は本文に書いてあることだけに限ります。長文読解(IMAGES形式)は、設問に対して趣旨に最も近い選択肢を選ぶ形式です。どちらも共通の型は、選択肢に先に目を通し、本文の該当箇所を素早く探すこと。全文を訳そうとしないのがコツです。
標準は10分24問(8長文×3問)とされ、1長文あたり約1分強が目安ですが、問題数・制限時間は企業により変動します。
例題① 論理的読解(GAB形式):期間の記述から判定する
本文 The city launched a bike-sharing service in 2018. From 2018 to 2020, a bicycle could be returned only to the station where it had been borrowed. In 2021, the rule was changed, and users can now return a bicycle to any station in the city. The number of stations has grown every year since the service began.
設問:In 2019, a user could not return a bicycle to a station other than the one where it had been borrowed.
A 正しい B 間違っている C 判断できない
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答え:A(正しい)
- 設問のキーワードは 2019 と return。本文で年号を探すと、2文目に “From 2018 to 2020” が見つかる
- そこには「借りたステーションにしか返却できなかった」とある。2019年はこの期間に含まれる
- 設問はこの記述の言い換え(「借りたところ以外には返せなかった」)なので A
なぜCではないか:本文に「2019年」という語はそのまま出てきません。しかし本文は「2018年から2020年まで」と期間で書いており、2019年は確実にその中に入ります。Cは「本文から導けない」ときに選ぶもので、「その語がそのまま書いていない=C」ではありません。書いてある記述から論理的に導けるなら、堂々とAを選びます。
最後の文(ステーション数の増加)は設問に無関係です。設問を先に読んでいれば、ここは読み飛ばせます。
日本語訳:その市は2018年にシェアサイクルのサービスを開始した。2018年から2020年までは、自転車は借りたステーションにしか返却できなかった。2021年にルールが変更され、現在、利用者は市内のどのステーションにも返却できる。ステーションの数はサービス開始以来、毎年増えている。/設問:2019年、利用者は借りたステーション以外のステーションに自転車を返却することはできなかった。
語注:launch=開始する/borrow=借りる/return=返却する/other than ~=〜以外の
例題② 論理的読解(GAB形式):「ありそうな話」をAにしない
本文 In April, the city introduced a new bus route between the station and the hospital. The route runs every twenty minutes on weekdays and every thirty minutes at weekends. Since the route opened, the number of passengers has increased every month.
設問:The new bus route has reduced traffic congestion around the station.
A 正しい B 間違っている C 判断できない
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答え:C(判断できない)
- 設問のキーワードは traffic congestion(交通渋滞)。本文でこの語、あるいは渋滞・交通量に関する記述を探す
- 本文にあるのは「路線の導入」「運行間隔」「乗客数の増加」の3つだけ。渋滞には一言も触れていない
- よって、渋滞が減ったとも減っていないとも決められない → C
なぜAではないか:ここが最大の失点源です。「バスの利用者が増えれば車が減り、渋滞も減るはず」——これは筋の通った推論ですが、その根拠は本文の外(あなたの常識)にあります。本文は乗客が増えたとしか言っておらず、その乗客がもともと車で来ていた人なのか、もともと歩いていた人なのかすら書いていません。常識を1グラムでも足したら、その時点でGAB形式のルール違反です。
なぜBではないか:本文と矛盾もしていないからです。「渋滞は増えた」とも書いていません。AでもBでもない、だからCになります。
判定はこの2ステップで機械的に処理します。①設問の内容が本文に書いてあるか? 書いてあれば、一致ならA・矛盾ならB。②書いていなければ、その時点でC。 「ありそうかどうか」は考えません。
日本語訳:4月、市は駅と病院を結ぶ新しいバス路線を導入した。この路線は平日は20分ごと、週末は30分ごとに運行している。路線の開通以来、乗客数は毎月増えている。/設問:新しいバス路線は、駅周辺の交通渋滞を減らした。
語注:introduce=導入する/route=路線/run=運行する/passenger=乗客/reduce=減らす/traffic congestion=交通渋滞
例題③ 論理的読解(GAB形式):割合を実数に直して照合する
本文 A survey was conducted at a company that has 400 employees, and every employee answered it. Sixty percent of the employees said that they work from home at least once a week. Half of those employees said that they would like to work from home more often than they do now.
設問:Fewer than 200 employees said that they work from home at least once a week.
A 正しい B 間違っている C 判断できない
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答え:B(間違っている)
- 設問は “Fewer than 200”(200人未満)という数の主張。本文で人数と割合を探すと “400 employees” と “Sixty percent” が見つかる
- 本文は「従業員の60%」と書き、さらに「全員が回答した」と明示している。母数は400人で確定 → 400 × 0.6 = 240人
- 240人は200人未満ではない。設問は本文と矛盾するので B
なぜCではないか:本文に「240人」とは直接書かれていません。それでも、400人と60%という本文中の2つの数から計算で一意に出せます。例題①と同じで、導けるならCではありません。
ここがA/BとCの分かれ目:もし本文が「回答者の60%(Sixty percent of the respondents)」と書いていて、回答者数がどこにも書かれていなかったら、実数は決まらず Cになり得ます。「従業員の60%」なのか「回答者の60%」なのか、そして母数が本文に書いてあるか——GAB形式の数値系は、この一文の有無で答えが変わります。割合が出てきたら、まず「何に対する割合か」を確認してください。
3文目(そのうちの半数=120人がもっと在宅勤務をしたい)は設問に無関係です。
日本語訳:従業員400人の会社で調査が行われ、全従業員がそれに回答した。従業員の60%が、週に1回以上は在宅勤務をしていると答えた。そのうちの半数が、今よりも多く在宅勤務をしたいと答えた。/設問:週に1回以上在宅勤務をしていると答えた従業員は、200人未満である。
語注:survey=調査/conduct=実施する/employee=従業員/work from home=在宅勤務をする/at least=少なくとも/fewer than ~=〜未満/would like to ~=〜したい
例題④ 長文読解(IMAGES形式):段落の趣旨をつかむ
本文 Many cities plant trees along their streets. Trees are often planted because they make a street look attractive, but they do much more than that. In summer, the shade of street trees lowers the temperature of the road surface and helps to keep the whole area cooler. Their leaves catch dust from the air, and their roots absorb rainwater that would otherwise run into drains all at once. Planting trees costs money, and they must be looked after for many years. Even so, what they bring to a city is far more than a pleasant view.
設問:What is the main point of this passage?
ア Street trees are too expensive for most cities to plant. イ Street trees are planted mainly to make streets look attractive. ウ Street trees do more for a city than simply making it look pleasant. エ Street trees are the best way to keep a city cool in summer.
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答え:ウ
- 選択肢を先に読むと、争点は「見た目だけなのか、それ以外もあるのか」「費用」「涼しさ」の3点だと分かる。本文はこの軸で読めばよい
- 骨組みを追う:2文目の but they do much more than that(逆接のサイン)で「見た目だけではない」と宣言 → 3・4文目で具体例(気温・ちり・雨水)→ 5文目で費用に触れて譲歩 → 最終文 Even so, … far more than a pleasant view で結論を繰り返す
- but と Even so の直後に筆者の主張が置かれている。これに一致するのは ウ
他の選択肢の切り方:
- ア(費用が高すぎる):費用は5文目にありますが、「多くの都市には高すぎる」とは書いていません。しかも最終文が “Even so”(それでも価値がある)と締めているので、趣旨とは逆向きです
- イ(見た目のために植えられる):2文目に近い内容が出てきます。ただし本文は “often planted”(よく植えられる)であって、イの言う “mainly”(主に)とまでは書いていません。しかもこの記述は but 以下で「それだけではない」と受けるための前置きであって、筆者の主張ではありません。本文に近いことが書いてあっても趣旨とはズレている、IMAGES形式の典型的な引っかけです
- エ(最も良い方法):涼しさは3文目にありますが、“the best way”(最も良い方法)とは一言も書いていません。言い過ぎの選択肢です
IMAGES形式は「本文に書いてあるか」ではなく「最も趣旨に近いか」を選ぶ形式です。イのような「本文に書いてはあるが主張ではない」選択肢が最大の落とし穴なので、but・however・Even so の直後という主張の置き場所を目印にしましょう。
日本語訳:多くの都市が街路に木を植えている。木はしばしば、通りの見た目をよくするために植えられるが、木が果たす役割はそれだけではない。夏には街路樹の日陰が路面の温度を下げ、一帯を涼しく保つのに役立つ。葉は空気中のちりを捕らえ、根は、そうでなければ一度に排水溝へ流れ込んでしまう雨水を吸収する。木を植えるには費用がかかり、何年も手入れを続けなければならない。それでも、木が都市にもたらすものは、心地よい眺めをはるかに超えている。
語注:plant=植える/attractive=魅力的な/shade=日陰/road surface=路面/absorb=吸収する/otherwise=そうでなければ/drain=排水溝/look after ~=〜の世話をする/even so=それでも
例題⑤ 長文読解(IMAGES形式):設問先読みで該当箇所へ飛ぶ
本文 A team of researchers asked two groups of students to attend the same lecture. One group took notes by hand, and the other group took notes on a laptop. The students who used laptops wrote down far more words than the students who wrote by hand. When the students were tested a week later, the two groups remembered simple facts equally well. The difference appeared in the questions about ideas: on these, the students who had written by hand did better. The researchers suggest that writing by hand is slower, so students have to decide what is worth writing down.
設問:According to the passage, what did the researchers find when the students were tested a week later?
ア The students who used laptops remembered simple facts better. イ The students who wrote by hand remembered simple facts better. ウ The students who wrote by hand answered the questions about ideas better. エ Both groups gave the same results on every kind of question.
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答え:ウ
この問題は、設問先読み→該当箇所探しという読み方そのものの練習です。手順を追ってみてください。
- まず選択肢だけを見る。4つとも「simple facts / questions about ideas」×「laptops / by hand」の組み合わせでできている。つまり探すのは「どちらのグループが・何の設問で・良かったか」の1点だけだと分かる
- 本文の目印を決める。設問は “when the students were tested a week later”。本文から a week later を探すと4文目に着地する。ここから後ろだけ読めばよい
- 該当箇所で仕分ける。4文目「単純な事実は同程度(equally well)」→ ア・イは消える。5文目「差が現れたのは考えを問う設問。手書きのほうが良かった」→ ウが残る。エは「差が現れた」と矛盾するので消える
ここで注目してほしいのは、1〜3文目(語数の話)を一度も訳していないことです。ノートパソコン組のほうが語数が多かった、という情報は設問に関係ありません。全文を頭から丁寧に訳していたら、1長文あたり約1分強という時間には届きません。
選択肢のキーワード → 本文の目印(数字・時期・固有名詞)→ 該当箇所。この順に飛ぶのが、玉手箱の英語で最も効く読み方です。GAB形式でも同じで、例題②の “traffic congestion”、例題③の “400” と “Sixty percent” が、まさにその目印でした。
日本語訳:ある研究チームは、2つのグループの学生に同じ講義を受けてもらった。一方のグループは手書きでノートを取り、もう一方はノートパソコンでノートを取った。ノートパソコンを使った学生は、手書きの学生よりはるかに多くの語を書き取った。1週間後に学生たちがテストを受けたところ、2つのグループは単純な事実については同じくらいよく覚えていた。差が現れたのは、考えを問う設問だった。これらでは、手書きでノートを取っていた学生のほうが良い成績だった。研究チームは、手書きは速度が遅いぶん、学生が何を書き留める価値があるかを判断しなければならないからだ、と考えている。
語注:attend=出席する/lecture=講義/take notes=ノートを取る/by hand=手書きで/far more=はるかに多くの/equally well=同じくらいよく/appear=現れる/suggest=示唆する/be worth ~ing=〜する価値がある
もっと解きたくなったら
玉手箱の英語で多い失点は、2つに集約されます。ひとつは、本文に書いていないことを「ありそうだから」とAにしてしまうこと(例題②)。もうひとつは、本文に書いてあるだけの選択肢を趣旨と取り違えること(例題④)。どちらも、選んだ根拠を本文の一文に指させるかを自問すれば防げます。指させなければ、GAB形式ならC、IMAGES形式なら別の選択肢を疑いましょう。
速読の型と2形式の詳しい違いは「玉手箱の英語対策」に、日本語で出る論理的読解の3択判定は「玉手箱の言語の解き方」に、計数まで含めた形式横断の型は「玉手箱の練習問題」にまとめています。
アプリ「AIナビスタ」なら、玉手箱・GABの頻出パターンに沿った問題を、制限時間つきでもっと演習できます。訳せない英文や、A/B/Cの判定に迷った設問は、その場でAIに質問して納得してから次へ進めます。