SPIの熟語の成り立ちは、二字熟語の構成パターンを答える問題です。出てくる構成は、「似た意味」「反対の意味」「前が後を修飾」「動詞+目的語」「主語+述語」の5つでほぼすべて。コツは、熟語を訓読みして短い文に開くことです。「日没 → 日が没する = 主語と述語」のように、開き方がそのまま答えになります。知識というより手順で解ける分野で、慣れれば他分野より速く処理しやすくなります。例題10問で型を体に入れましょう。
まず結論:5つの構成パターン
| 構成 | 開き方 | 例 |
|---|---|---|
| 似た意味を重ねる | どちらの字も同じ意味 | 森林(森=林)・豊富 |
| 反対の意味を重ねる | 逆の意味のペア | 売買・寒暖 |
| 前の字が後の字を修飾 | 「AなB」「AのB」と上から読み下す | 直線(まっすぐな線)・急行 |
| 動詞+目的語 | 「BをAする」と下から返って読む | 読書(書を読む)・着席 |
| 主語+述語 | 「AがBする」 | 日没(日が没する)・国営 |
上の字が下を打ち消す構成(非常・無害・未定・不安)が別枠で出ることもあります。「5パターンのどれにも当てはまらないもの」を選ばせる問題の定番です(後述)。
ここで紹介する例題は、SPIの実際の問題ではなく、典型的な出題パターンを再現したオリジナル例題です。言語分野の全体像は「SPIの言語(国語)対策」に、出題形式の一覧は頻出問題と解き方にまとめています。
見分けの手順:訓読みで「開く」
どのパターンかは、次の順で試すと機械的に決まります。
- 「AがBする」と読めるか? → 主語と述語(雷鳴=雷が鳴る)
- 下から「BをAする/BにAする」と返って読めるか? → 動詞+目的語(遅刻=刻に遅れる)
- 上から「AなB/AのB」と読み下せるか? → 修飾(直線=まっすぐな線)
- 文に開けない → 2字の意味を比べて、似ていれば類義、逆なら対義
ポイントは、音読みのまま眺めないこと。訓読み(意味)に直すから構造が見えます。迷ったら手順1→4を頭の中で順に唱えれば、多くはどこかで止まります。当てはまらなければ、打ち消し(非・無・未・不)や接頭・接尾(〜的・〜性・〜化)の別枠を疑いましょう(後述)。
例題(前半):5パターンを1問ずつ
次の熟語の成り立ちを答えなさい。 (1) 雷鳴 (2) 遅刻 (3) 豊富 (4) 損得 (5) 直線
解き方
- 雷鳴 … 「雷が鳴る」と読める → 主語+述語
- 遅刻 … 「刻(時刻)に遅れる」と下から返って読む → 動詞+目的語
- 豊富 … 文に開けない。「豊か」と「富む」はどちらも満ちている意味 → 似た意味
- 損得 … 「損」と「得」は正反対 → 反対の意味
- 直線 … 「まっすぐな線」と上から読み下せる → 前が後を修飾
5問で5パターンすべてを使いました。まず文に開けるか(手順1・2・3)、開けなければ意味比べ(手順4)の順で当てはめれば迷いません。
例題(後半):別の熟語で総仕上げ+打ち消し
次の熟語の成り立ちを答えなさい。 (6) 登山 (7) 増減 (8) 頭痛 (9) 親友 (10) 未満
解き方
- 登山 … 「山に登る」と下から返って読む → 動詞+目的語
- 増減 … 「増える」と「減る」は正反対 → 反対の意味
- 頭痛 … 「頭が痛む」と読める → 主語+述語
- 親友 … 「親しい友」と上から読み下せる → 前が後を修飾
- 未満 … 「未(まだ〜ない)」が「満(満ちる)」を打ち消す → 打ち消し(5パターンの別枠)
(6)登山と(9)親友のように、動詞+目的語と修飾は見た目が似ていても読む向きが逆です。(10)未満は5パターンに収まらない「打ち消し」型で、選択肢に「どれにも当てはまらない」がある問題で狙われます。
割れやすいペアの判別
迷うのはたいてい次の3ペアです。決め手を覚えておけば即断できます。
| 迷うペア | 決め手 | 例 |
|---|---|---|
| 修飾 vs 動詞+目的語 | 上から読み下せる(AなB)=修飾/下から返る(BをA)=動目 | 急流(急な流れ=修飾)⇔ 開門(門を開く=動目) |
| 主述 vs 動詞+目的語 | 1字目が「が」で受ける主語=主述/1字目が動作で「を・に」返る=動目 | 地震(地が震える=主述)⇔ 着席(席に着く=動目) |
| 似た意味 vs 反対 | 2字が同じ方向=類義/逆方向=対義 | 河川(似)⇔ 増減(反対) |
ポイントは「動詞がどの位置にあるか」。主述は動詞が後ろ(地が+震える)、動目は動詞が前(着く+席に)です。位置で割り切れます。
主要5パターンに収まらない構成:接頭・接尾
5パターンに当てはまらない二字熟語は、たいてい接頭語・接尾語が付いた形です。出題では「どれにも当てはまらない」の受け皿になります。
- 打ち消しの接頭語(非・無・未・不) … 非凡・無害・未定・不安。下の字を打ち消す
- そのほかの接頭語 … 御殿(御+殿)・第一(第+一)など、上の字が意味を添えるだけ
- 接尾語(〜的・〜性・〜化) … 知的(知+的)・耐性(耐+性)・強化(強+化)。下の字が状態や性質を表す
これらは「字と字が対等に意味で結びつく」5パターンとは構造が違います。片方の字が単独で意味を成さず、もう一方に付属していると感じたら、接頭・接尾を疑いましょう。
パターン別 頻出二字熟語リスト(直前チェック)
試験前の総点検用に、パターン別の代表例をまとめました。声に出して「開き方」を確認すると定着します。
| 構成 | 頻出二字熟語 |
|---|---|
| 似た意味 | 河川・岩石・身体・道路・永久・思考・困難・絵画(絵≒画)・森林・豊富・温暖(温かい≒暖かい)・減少(減る≒少なくなる)・衣服・樹木 |
| 反対の意味 | 増減・売買・往復・高低・明暗・需給(需要⇔供給)・賛否・寒暖(寒い⇔暖かい)・損得・大小・強弱・勝敗・開閉・断続 |
| 前が後を修飾 | 直線・親友・温泉・美声・軽傷・赤字・急行・曲線・洋書・新芽・深海・白紙・濃霧・早朝 |
| 動詞+目的語 | 読書・着席・登山・帰国・投票・開門・防火・消火(火を消す)・挙手・握手・洗顔・乗車・就職(職に就く)・延期 |
| 主語+述語 | 日没・地震・頭痛・雷鳴・国立・年長・腹痛・骨折(骨が折れる)・国営・市営・県立・日照(日が照る) |
字面が似ていても構成が違うペアに注意。温暖は「似た意味」(温かい≒暖かい)なのに寒暖は「反対の意味」(寒い⇔暖かい)、同じく減少は類義なのに増減は対義です。共通の字に引きずられず、1字ずつ訓読みに開けば取り違えません。
紛らわしいときの判断ポイント
- 漢字の意味の蓄えがものを言う … 字の訓・意味を知っているほど即断できます。語彙の引き出しは語句の意味や二語の関係の推測力にも直結します
- 知らない熟語こそ手順どおりに … 構成の問題は熟語の意味を厳密に知らなくても、字の意味さえ分かれば解けます。落ち着いて開きましょう
検査全体の構成は、公式のSPI情報サイトや、提供元リクルートマネジメントソリューションズの就職準備応援サイトでも確認できます。
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まとめ
- 熟語の成り立ちは5パターン+打ち消しの別枠。知識ではなく手順で解ける
- コツは訓読みで文に開くこと。「AがBする」=主述、下から返れば動目、上から読み下せば修飾
- 文に開けなければ2字の意味比べ(似ている=類義、逆=対義)
- 5パターンに収まらなければ接頭・接尾(非/無/未/不、〜的/性/化)を疑う
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