SPIの長文読解は、答えの根拠を本文の中に求めるのが鉄則です。設問を先に読んで「何を探すか」を決めてから本文に入り、「必ず」「すべて」のような言い過ぎ表現や、本文に書いていない内容を含む選択肢を切っていきます。ここでは内容合致・指示語・空欄補充・語句補充・複数選択・筆者の主張の6タイプを、短いオリジナル本文つきで用意しました。まず自分で解いてから、「解答・解説を見る」を開いて答え合わせをしましょう。
ここで紹介する例題は、SPIの実際の問題ではなく、典型的な出題パターンを再現したオリジナル例題です。解き方の型は「SPIの長文読解の解き方」で詳しく解説しています。
例題① 内容合致:「言い過ぎ」を切る
次の文章の内容と合致するものを、ア〜ウから1つ選びなさい。
「睡眠には、日中に得た情報を整理し、記憶として定着させる働きがあると考えられている。とくに眠りが深い時間帯には、脳がその日に必要だった記憶を選び出し、不要な情報を削っているとされる。こうした整理は、起きている間にはうまく進まないという指摘もある。だから、試験前に徹夜で詰め込むよりも、学んだあとにしっかり眠ったほうが、内容を思い出しやすくなる場合があるという。ただし、ただ長く眠ればよいというわけではなく、眠りの深さも関わるといわれる。」
ア 長く眠りさえすれば、誰でも必ず記憶が定着する
イ 起きている間も、睡眠中と同じように記憶の整理が進む
ウ 学んだあとに十分眠ると、内容を思い出しやすくなる場合があるとされる
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答え:ウ
- ア … 本文は「ただ長く眠ればよいというわけではなく、眠りの深さも関わる」と述べている。「誰でも必ず」は言い過ぎで本文と矛盾 → ×
- イ … 本文は「こうした整理は、起きている間にはうまく進まないという指摘もある」としている。睡眠中と同じには進まない → ×
- ウ … 本文「内容を思い出しやすくなる場合があるという」の言い換え。「場合がある」という控えめな言い回しまで一致 → ○
本文が「〜という」「〜場合がある」と控えめに述べているとき、「必ず」「誰でも」と強く断定する選択肢は言い過ぎを疑って切るのが鉄則です。
例題② 指示語:直前から探して「代入」で確認
次の文章中の「こうした整理」が指す内容として最も適切なものを、ア〜ウから選びなさい。
「睡眠には、日中に得た情報を整理し、記憶として定着させる働きがあると考えられている。とくに眠りが深い時間帯には、脳がその日に必要だった記憶を選び出し、不要な情報を削っているとされる。こうした整理は、起きている間にはうまく進まないという指摘もある。」
ア 日中に得た情報を、その場ですべて覚えること
イ 脳が必要な記憶を選び出し、不要な情報を削ること
ウ 眠りが深い時間帯に体を休ませること
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答え:イ
- 指示語は原則直前から探す → 直前の文は「脳がその日に必要だった記憶を選び出し、不要な情報を削っている」
- 代入して確認:「脳が必要な記憶を選び不要な情報を削ることは、起きている間にはうまく進まない」→ 意味が通る → ○
- ア は本文冒頭の別の内容で、「こうした整理」の直前ではない。ウ の「体を休ませる」は本文に書かれていない → ×
指示語は、まず近くから候補を立て、入れ替えて意味が通るかを試すのが基本です。当てはめて文の意味が通らなければ、もう少し前の文まで候補を広げて確かめましょう。
例題③ 空欄補充:前後の論理関係で決める
次の文章の( )に入る語として最も適切なものを、ア〜ウから選びなさい。
「食品ロスとは、まだ食べられるのに捨てられてしまう食品のことをいう。家庭で食べ残して捨てる分も、店で売れ残って廃棄される分も、どちらもここに含まれる。買いすぎや作りすぎ、消費期限の見落としが重なると、気づかないうちに捨てる量は増えていく。家庭から出るものも少なくないとされ、これは店だけの問題ではない。( )、食べられる状態のまま手放されたものは、家庭から出たか店から出たかを問わず、食品ロスとして数えられる。」
ア しかし
イ つまり
ウ たとえば
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答え:イ
- 空欄の前:家庭でも店でも、食べられるのに捨てられたものは食品ロスに含まれる
- 空欄の後:食べられる状態で手放されたものは、出どころを問わず食品ロスとして数えられる
- 後の文は前の内容を要約・言い換えしている → 言い換えの「つまり」
- ア しかし … 逆接。前後は対立していないので合わない → ×
- ウ たとえば … 例示。後の文は具体例ではなく前全体のまとめなので合わない → ×
後の文が「要するに〜」と前を言い換えてまとめているときは「つまり」。接続語は順接(だから)・逆接(しかし)・言い換え(つまり)・例示(たとえば)の4方向で整理すると迷いません。
例題④ 語句補充:文脈の理屈から1つに絞る
次の文章の( )に入る語として最も適切なものを、ア〜ウから選びなさい。
「地球が太陽のまわりを一周するのにかかる時間は、ちょうど365日ではなく、およそ365日と6時間である。この6時間ほどのずれをそのままにしておくと、こよみと実際の季節が少しずつずれていってしまう。そこで、4年に一度、2月を1日だけ増やして1年を366日とする年をもうけている。これがうるう年である。ただし、一周にかかる時間は365日と6時間よりわずかに短いため、4年ごとに1日を足すだけでは、日数をほんの少し( )ことになる。そのため、100で割り切れる年はうるう年にせず、さらに400で割り切れる年はうるう年にもどす、という細かい調整が加えられている。」
ア 減らしすぎる
イ 増やしすぎる
ウ ちょうどよくする
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答え:イ
- 空欄の前:一周にかかる時間は「365日と6時間」よりわずかに短い
- もしずれがちょうど6時間なら、6時間×4年=24時間=1日。4年に一度1日を足せば過不足なし
- 実際のずれは6時間より短いので、4年ぶんためても24時間にわずかに届かない。それでも丸1日を足すため、その差だけ足しすぎになる → イ が正解
- ア 減らしすぎる … ここでの操作は1日を「足す」ことなので、日数が減る方向にはならない → ×
- ウ ちょうどよくする … 「ただし」で始まる文は不都合を述べる流れ。ちょうどよいなら、続く100年・400年の調整を加える理由がなくなる → ×
語句補充は、空欄の前後にある理屈をたどると当てはまる語が1つに決まります。「ただし」「そのため」といった目印から、前後がどちら向きの話かを読み取りましょう。
例題⑤ 複数選択:○×で1つずつ確定させる
次の文章の内容と合うものを、ア〜オから2つ選びなさい。
「地球が太陽のまわりを一周するのにかかる時間は、ちょうど365日ではなく、およそ365日と6時間である。この6時間ほどのずれをそのままにしておくと、こよみと実際の季節が少しずつずれていってしまう。そこで、4年に一度、2月を1日だけ増やして1年を366日とする年をもうけている。これがうるう年である。ただし、一周にかかる時間は365日と6時間よりわずかに短いため、100で割り切れる年はうるう年にせず、さらに400で割り切れる年はうるう年にもどす、という細かい調整が加えられている。」
ア 地球が太陽のまわりを一周する時間は、365日よりわずかに長い
イ うるう年には、2月が1日増える
ウ 400で割り切れる年は、うるう年にしない
エ こよみのずれは、放っておいても大きくならない
オ うるう年は、毎年もうけられている
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答え:ア・イ
- ア … 本文「およそ365日と6時間」は、365日より6時間ぶん長いということ → ○
- イ … 本文「2月を1日だけ増やして1年を366日とする」と一致 → ○
- ウ … 本文は「400で割り切れる年はうるう年にもどす」、つまりうるう年にする。「しない」は逆 → ×
- エ … 本文は「そのままにしておくと…ずれていってしまう」。放っておくとずれる、が本文の内容 → ×
- オ … 本文は「4年に一度」。毎年ではない → ×
複数選択は、○×を1つずつ確定させて根拠のあるものだけを残すのが確実です。「もどす/しない」「4年に一度/毎年」のように細部だけをすり替えた選択肢に引っかからないよう注意しましょう。
例題⑥ 筆者の主張:評価が出る文に注目
次の文章で筆者が最も言いたいこととして適切なものを、ア〜ウから選びなさい。
「方言は、その土地で長い時間をかけて育まれてきた言葉である。標準語に比べて『くずれた言葉』と見られることもあるが、方言には標準語では言い表しにくい細かな感情やニュアンスが込められていることが少なくない。地域の文化や歴史と深く結びついた方言は、いったん消えてしまうと取り戻すのが難しい。便利さだけを理由に切り捨てるのではなく、その価値を見直してもよいのではないだろうか。」
ア 方言は標準語より優れているので、標準語を使うのをやめるべきだ
イ 方言はくずれた言葉なので、標準語に統一したほうがよい
ウ 方言には独自の価値があるので、便利さだけで切り捨てず見直してもよい
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答え:ウ
- 筆者の評価は文末の表現に出やすい → 最終文「便利さだけを理由に切り捨てるのではなく、その価値を見直してもよいのではないだろうか」が主張
- ウ … この最終文の言い換えで、本文の範囲を超えていない → ○
- ア … 本文は「優れている」とも「やめるべき」とも書いていない。言い過ぎで本文にない結論 → ×
- イ … 「くずれた言葉と見られることもある」とは紹介しているが、筆者はそれに反論しており、立場が逆 → ×
主張・要旨は「〜のではないだろうか」「〜べきだ」など筆者の評価が出る文に注目し、本文に書いていない強い結論を足した選択肢を切るのがコツです。
もっと解きたくなったら
長文読解は、根拠を本文の中に求める型さえ徹底すれば、初見の文章でも安定して取れます。この6問で扱った設問タイプ別の解き方は「SPIの長文読解の解き方」で、言語分野全体の対策は「SPIの言語(国語)対策」にまとめています。言葉の知識で得点を上積みしたい人は「SPI語句の意味の練習問題」へ、ほかの単元の例題は問題一覧からどうぞ。
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