玉手箱の図表の読み取りは、計算そのものは「割る・引く・掛ける」の基本式だけです。勝負を分けるのは、表やグラフのどこの数字を使うかを一瞬で見つける読み取り力。だから鉄則は「設問を先に読んでから表に当たる」と「概算で選択肢を絞る」の2つになります。ここでは、1人あたりの金額・構成比からの逆算・減少率・複数年の増加率の比較・2つの表の突き合わせと、5つの別テーマで、基本から応用まで解答・解説つきの5問を用意しました。まず自分で解いてから、「解答・解説を見る」を開いて答え合わせをしましょう。

ここで紹介する例題は、玉手箱の実際の問題ではなく、典型的な出題パターンを再現したオリジナル例題です(玉手箱に公式の過去問は存在しません)。解き方の型は「玉手箱・図表の読み取りの解き方とコツ」で詳しく解説しています。

図表の読み取りは1問にかけられる時間が短い形式です。広く知られている標準的な版は15分・29問(1問あたり約30秒)とされますが、企業によって問題数や制限時間が異なる版もあるため一律ではありません。なお、電卓は自宅などのPCで受ける自宅受検型(Webテスト)では使用可、テストセンターで受けるC-GABでは使用不可(筆算)です。自分が受ける方式に合わせて練習してください。

例題① 基本:1人あたりの金額を比べる

下の表は、あるコーヒーチェーンの支店別データ(1日あたり)です。

支店来店客数(人)売上高(円)座席数(席)
東支店420252,00048
西支店360234,00052
南支店480273,60040

:客1人あたりの売上高が最も高い支店はどれか。 (選択肢:ア 東支店/イ 西支店/ウ 南支店/エ すべて同じ)

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答え:イ 西支店

「1人あたり」は総量 ÷ 人数です。設問が聞いているのは客1人あたりの売上高だけなので、使うのは来店客数と売上高の2列だけ座席数の列は最初から見ません——玉手箱の表には、こうした「その設問では使わない数値」がわざと混ぜてあります(コツ①)。

  1. 東支店:252,000 ÷ 420 = 600円
  2. 西支店:234,000 ÷ 360 = 650円
  3. 南支店:273,600 ÷ 480 = 570円

最も高いのは西支店の650円です。

検算:逆算して確かめます。420 × 600 = 252,000 ✓、360 × 650 = 234,000 ✓、480 × 570 = 273,600 ✓。すべて表の売上高と一致しました。

時短のコツ:割り算は桁を落としてから。252,000 ÷ 420 は、割られる数と割る数から0を1つずつ落として 25,200 ÷ 42 = 600 と見ると暗算できます(同じ数だけ0を落とせば商は変わりません)。また、来店客数が最多の南支店が1人あたりでは最下位である点に注意。「客数が多い=1人あたりも多い」ではありません。この手の問題は、規模の大きさと単位あたりの量を混同させるのが定番の引っ掛けです。

例題② 構成比から実数を逆算する

下の表は、あるイベントの来場者2,400人の年代別構成比です。

年代構成比(%)
20代34
30代28
40代22
50代以上16
合計100

:30代の来場者は、40代の来場者より何人多いか。 (選択肢:ア 96人/イ 120人/ウ 144人/エ 168人)

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答え:ウ 144人

構成比(%)と全体の実数が与えられたら、実数 = 全体 × 構成比で戻せます。素直に計算すると次の通りです。

  1. 30代:2,400 × 0.28 = 672人
  2. 40代:2,400 × 0.22 = 528人
  3. 差:672 − 528 = 144人

検算:全区分を実数に戻して合計します。20代 2,400×0.34 = 816人、30代 672人、40代 528人、50代以上 2,400×0.16 = 384人。合計は 816+672+528+384 = 2,400人で、全体と一致します ✓。

時短のコツ:この問題は掛け算1回で終わります。聞かれているのは差だけなので、先に構成比の差を取ってから全体に掛けるのが速い。

28% − 22% = 6% → 2,400 × 0.06 = 144人

2回の掛け算と1回の引き算が、1回の引き算と1回の掛け算になりました。1問あたりの持ち時間が短い形式では、この「計算回数を1回減らす」判断が積み重なって効いてきます。「何人か」ではなく「何人多いか」と聞かれたら、まず差の%を疑いましょう。

例題③ 減少率:割るのは「もとの数」

下の表は、ある通販会社の紙カタログ発行部数の推移です。

発行部数(万部)
2021年250
2022年225
2023年189
2024年170

:2023年の発行部数は、前年に比べておよそ何%減少したか。 (選択肢:ア 約8%/イ 約12%/ウ 約16%/エ 約19%)

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答え:ウ 約16%

増加率も減少率も、式は同じ「変化した分 ÷ もとの数」です。設問は2023年の対前年減少率なので、使うのは2022年の225と2023年の189の2マスだけ。2021年(250)と2024年(170)は読みません(コツ①)。

  1. 減った分:225 − 189 = 36(万部)
  2. 減少率:36 ÷ 225 = 0.16 = 16%

検算:もとの225を16%減らすと、225 × 0.84 = 189。表の2023年の値(189)とぴったり一致します ✓。

時短のコツ:ここでの最大の罠は、36 を 189(減った後の数)で割ってしまうことです。36 ÷ 189 = 0.190… = 約19%となり、選択肢エがちょうどその値で用意されています。「もとの数(前年)で割る」を徹底すれば引っかかりません。なお、選択肢が約4%刻みで離れているので、概算でも十分絞れます(コツ②)。36 ÷ 225 は「36 ÷ 225 ≒ 36 ÷ 220 ≒ 0.16」とざっくり見当をつければ、選択肢はウ一つに決まります。

例題④ 複数年の比較:増加率が最も大きい年はどれか

下の表は、ある動画配信サービスの会員数の推移です。

会員数(万人)
2021年120
2022年150
2023年186
2024年213

:対前年増加率が最も大きい年はどれか。 (選択肢:ア 2022年/イ 2023年/ウ 2024年/エ すべて同じ)

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答え:ア 2022年

各年について「増えた分 ÷ 前年」を出して比べます。

  1. 2022年:(150 − 120) ÷ 120 = 30 ÷ 120 = 0.25 = 25%
  2. 2023年:(186 − 150) ÷ 150 = 36 ÷ 150 = 0.24 = 24%
  3. 2024年:(213 − 186) ÷ 186 = 27 ÷ 186 = 0.145… = 約14.5%

最も大きいのは2022年の25%です。

検算:それぞれ前年に増加率を掛けて戻します。120 × 1.25 = 150 ✓、150 × 1.24 = 186 ✓、186 × 1.145 = 212.97 ≒ 213 ✓。3年とも表の値と一致しました。

時短のコツ:この問題の急所は、増えた分の大きさ(30 → 36 → 27万人)だけを見ると2023年が一番に見えることです。増えた分は2023年が最大なのに、増加率では2022年に負けます。もとの数が違うからで、増減率は必ず「もとの量」で割るという原則がそのまま効きます。

進め方としては、まず明らかに小さいものを概算で捨てるのが速い。2024年は「27 ÷ 186 = 30弱 ÷ 190弱」でせいぜい15%前後と分かるので即除外し、残る2つに絞ります。ただし2022年(25%)と2023年(24%)は僅差なので、ここだけは概算に頼らず 30÷120 と 36÷150 をきちんと計算します。選択肢の幅が広ければ概算で即決、僅差なら必要な桁まで計算——この使い分けが時間を守るコツです。

例題⑤ 応用:2つの表を突き合わせる

下の2つの表は、ある小売企業X社のデータです。

表1:全社売上高の推移

全社売上高(億円)
2023年480
2024年540

表2:2024年の部門別売上構成比

部門構成比(%)
食品45
日用品30
衣料15
その他10

:2024年の食品部門の売上高は、2023年の全社売上高のおよそ何%にあたるか。 (選択肢:ア 約45%/イ 約48%/ウ 約51%/エ 約56%)

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答え:ウ 約51%

2つの表をまたぐ問題は、「どの表のどの数字が要るか」を設問から先に確定させてから手を動かします。ここで必要なのは、表2の食品45%、表1の2024年540億円2023年480億円の3つだけ。日用品・衣料・その他の構成比は使いません(コツ①)。

  1. 2024年の食品部門の売上高 = 540 × 0.45 = 243億円(構成比は2024年のものなので、掛ける相手は540)
  2. 2023年の全社売上高に対する割合 = 243 ÷ 480 = 0.50625 = 約51%

検算:逆算します。480 × 0.51 = 244.8億円で、実際の243億円とほぼ一致(誤差は丸めの分)✓。また 480 × 0.5 = 240 < 243 なので「50%より少し大きい」ことも確かめられ、約51%で正しいと確認できました。

時短のコツ:2段階の問題は罠選択肢が「途中で止まった値」になっていることが多いです。ここでは選択肢アの45%が、構成比をそのまま答えてしまった人の落とし穴。設問が聞いているのは「2023年の全社売上高に対する割合」であって、「2024年の中での構成比」ではありません。

計算では、243 ÷ 480 を「240 ÷ 480 = ちょうど50%」に寄せるのが速い。分子が240より少し大きいので答えは50%を少し超える → ウの約51%に決まります。きれいに割り切れる数に寄せて、そこからのズレの向きで判断する——これが概算で選択肢を絞る典型的な使い方です(コツ②)。

もっと解きたくなったら

図表の読み取りは、設問を先に読む → 必要なセルだけ拾う → 概算で選択肢を絞るという同じ動線を、テーマが変わっても回し続けるだけです。難しい知識は要らない代わりに、反復で付くスピードがそのまま得点になります。解き方の型と捨て問の判断は「玉手箱・図表の読み取りの解き方とコツ」に、四則逆算・言語・英語まで含めた全形式の型は「玉手箱の練習問題で型を覚える」にまとめています。

アプリ「AIナビスタ」なら、図表の読み取りの基本パターンから2つの表を突き合わせる応用まで、制限時間つきで段階的に演習できます。読み違えたのか計算を間違えたのか迷ったときは、その場でAIに質問できます。