SPIの語句の用法は、例文の助詞や動詞をやさしい言葉に言い換えて意味を特定するのが解き方の軸です。同じ「で」でも〈手段〉〈場所〉〈原因〉〈材料〉で用法が分かれるので、選択肢も一つずつ言い換えて、問題文と意味がそろう文を選びます。「に」「の」「と」や多義動詞も、同じ手順で見分けられます。まず自分で用法を決めてから、「解答・解説を見る」を開いて答え合わせをしましょう。

ここで紹介する例題は、SPIの実際の問題ではなく、典型的な出題パターンを再現したオリジナル例題です。解き方の型は「SPIの言語問題の解き方」で詳しく解説しています。

例題① 助詞「に」:存在する場所を見分ける(基本)

次の文の「に」と同じ使い方をしているものを、ア〜オから1つ選びなさい。

「庭に大きな木がある。」

ア 朝7時に家を出る。 イ 公園に噴水がある。 ウ 母に手紙を書く。 エ 春になると暖かくなる。 オ 駅に向かって歩く。

解答・解説を見る

答え:イ

  1. 問題文の「に」を言い換える:「庭に木がある」は、木が存在する場所を表す「に」
  2. 各選択肢の「に」を確かめる:
    • ア 朝7時に家を出る → 時点(いつ)
    • イ 公園に噴水がある → 存在する場所(どこに) → ◯(同じ用法)
    • ウ 母に手紙を書く → 相手・対象(だれに)
    • エ 春になると暖かくなる → 変化の結果(〜になる)
    • オ 駅に向かって歩く → 方向・行き先(どこへ)

「〜がある/いる」の直前の「に」は場所、と押さえておくと、時点や相手の「に」と取り違えません。

例題② 助詞「の」:主格の「の」に気づく(ひねり)

次の文の「の」と同じ使い方をしているものを、ア〜オから1つ選びなさい。

「妹の焼いたクッキーは甘い。」

ア 兄の自転車を借りる。 イ もう寝るの? ウ 弟の描いた絵をほめる。 エ 大きいのをください。 オ 医者の田中さんに相談する。

解答・解説を見る

答え:ウ

  1. 問題文の「の」を言い換える:「妹の焼いたクッキー」は「妹が焼いたクッキー」。「の」を「が」に置きかえられる=主格の「の」
  2. 各選択肢の「の」を確かめる:
    • ア 兄の自転車を借りる → 連体修飾(所有)。「兄が自転車」とは言えない
    • イ もう寝るの? → 文末につく終助詞(疑問)
    • ウ 弟の描いた絵をほめる → 「弟が描いた」と言える=主格 → ◯(同じ用法)
    • エ 大きいのをください → 「もの」の代わりに使う準体助詞
    • オ 医者の田中さんに相談する → 「医者=田中さん」を表す同格

「の」を「が」に置きかえて意味が通るかどうかが、主格の「の」を見分ける決め手です。

例題③ 多義動詞「かける」:同じ意味を逆算する(逆算)

次の文の「かける」と同じ意味で使われているものを、ア〜オから1つ選びなさい。

「壁にカレンダーをかける。」

ア 友だちに電話をかける。 イ 玄関のドアに鍵をかける。 ウ ハンガーに服をかける。 エ 料理に手間をかける。 オ サラダにドレッシングをかける。

解答・解説を見る

答え:ウ

  1. 問題文の「かける」を言い換える:「壁にカレンダーをかける」は、ひっかけてつるす(掛ける)という意味
  2. 同じ「かける」でも意味はさまざま。言い換えて確かめる:
    • ア 友だちに電話をかける → 電話をつなぐ
    • イ 玄関のドアに鍵をかける → 施錠する
    • ウ ハンガーに服をかける → つるす → ◯(同じ意味)
    • エ 料理に手間をかける → 時間や労力を費やす
    • オ サラダにドレッシングをかける → 上から注ぐ・ふりかける

多義動詞は「言い換えたときの意味」で判定します。「つるす」に置きかえて自然なのは、ウだけです。

例題④ 助詞「で」:手段と材料を分ける(場合分け)

次の文の「で」と同じ使い方をしているものを、ア〜オから1つ選びなさい。

「木で本棚を作る。」

ア バスで学校へ通う。 イ 公園でお弁当を食べる。 ウ 大雨で電車が止まる。 エ 牛乳でチーズを作る。 オ この作業は一時間で終わる。

解答・解説を見る

答え:エ

  1. 問題文の「で」を言い換える:「木で本棚を作る」は、木を使って作る=材料・原料を表す「で」
  2. 各選択肢の「で」を確かめる:
    • ア バスで学校へ通う → 手段(何を使って移動するか)
    • イ 公園でお弁当を食べる → 場所(どこで)
    • ウ 大雨で電車が止まる → 原因(なぜ)
    • エ 牛乳でチーズを作る → 材料・原料(何から作るか) → ◯(同じ用法)
    • オ この作業は一時間で終わる → 所要時間・期限(どれだけで)

「〜を作る」の材料の「で」は、移動の手段の「で」と混同しがちです。「何から作るか」を問うのが材料の「で」だと押さえましょう。

例題⑤ 助詞「と」:五つの用法から選び分ける(応用)

次の文の「と」と同じ使い方をしているものを、ア〜オから1つ選びなさい。

「弟と公園で遊ぶ。」

ア 「もう帰る」と言った。 イ パンと牛乳を買う。 ウ 姉と映画を見に行く。 エ 去年と同じ服を着る。 オ ボタンを押すと、ドアが開く。

解答・解説を見る

答え:ウ

  1. 問題文の「と」を言い換える:「弟と公園で遊ぶ」は、いっしょに行動する相手(共同)を表す「と」
  2. 各選択肢の「と」を確かめる:
    • ア 「もう帰る」と言った → 引用(言った内容を受ける)
    • イ パンと牛乳を買う → 並列(AとB)
    • ウ 姉と映画を見に行く → 共同の相手(だれといっしょに) → ◯(同じ用法)
    • エ 去年と同じ服を着る → 比較の基準(何とくらべて)
    • オ ボタンを押すと、ドアが開く → 条件・仮定(〜すると)

「だれといっしょに」と言い換えられる「と」が共同の相手です。引用や条件の「と」とは、前後の言葉で見分けられます。

もっと解きたくなったら

語句の用法は、例文をやさしく言い換えて意味を特定する手順さえ身につければ、初めて見る文でも同じ型で解けます。言語分野の全体像は「SPIの言語問題の解き方」に、似た知識問題は「語句の意味の練習問題」「二語の関係の練習問題」にまとめています。ほかの単元は練習問題の一覧から選べます。

アプリ「AIナビスタ」なら、助詞や多義語の用法を、一定の制限時間・問題数の模試形式ですきま時間に演習できます。用法の見分けで迷ったら、その場でAIに質問して、納得してから次へ進めます。